ごあいさつ

羅針盤
01 /01 2018
当ブログでは、フィレンツェ在住の日本人ガイドがフィレンツェを中心としたイタリアの情報を書いています。
またガイド・通訳のお仕事も承っております。
natale2016-9

ガイド・通訳の依頼はこちらから
フィレンツェ県・ピサ県の公認ガイドが貴方の旅行をサポートします

日記の目次はこちらから
羅針盤2

新着記事は、このひとつ下の日記をご覧ください。
スポンサーサイト

レオポルド枢機卿のコレクション〜2〜

アルノ河南地区
11 /24 2017
フィレンツェのピッティ宮殿にて行われている特別展「レオポルド・デ・メディチ 収集家の王子」の展示作品をちらっと紹介します。
展示会期間は2017年11月7日〜2018年1月28日
ピッティ宮殿地上階の「大公の宝物殿 Tesoro dei Granduchi」の区画にて公開されています。
lepoldo1
レオポルド枢機卿は様々な方面に興味を持ち、幅広い分野のコレクションを行なっていました。
その中に紙や羊皮紙の上に描かれたデッサンのコレクションがあります。

彼がまだ若い頃にデッサン画を試みたことがあり、その頃から有名な画家のデッサンをコレクションしたのだとか。
以前にメディチ家が収集したデッサンも、彼はもちろん知っていました。中にはヴァザーリの遺産から来た作品もあります。
1650年にはレオポルドのコレクションは体系的になっていました。当時の美術品の重要な売買ポイントはローマ、ボローニャ、ヴェネツィア、さらにもっと小さな取引場であったジェノヴァやクレモナなどでメディチ家の代理人が美術品の買取をしてます。

「マリアの訪問」フランチェスコ・サルヴィアーティ作 16世紀
ローマのサン・ジョヴァンニ・デッコラート祈祷所のために1538年にサルヴィアーティが描いたフレスコ画のデッサン。
ccl3

「聖母被昇天」ルーベンスと協力者 1637年ごろ
1659年にメディチ家の代理人によってアントワープからフィレンツェに送られた作品。Jan Philip Happartが所有していたルーベンス関連の作品を全て買い取りました。
ccl4

「裸の男性像」ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ 1647年ごろ
ローマのメディチ家代理人パオロ・フォルコニエーリがレオポルド枢機卿にベルニーニのデッサンを購入できる可能性を伝えています。ナヴォーナ広場の4つの河の噴水、ナイル川の像の準備デッサンと考えられています。
ccl2

「聖ヒエロニムスの頭部」アンドレア・デル・ヴェロッキオ作 1465年ごろ
1663年のレオポルドのコレクション目録に記録されています。当初はポッライオーロの作品と考えられていました。
他の枢機卿の所有でしたが、その枢機卿の死後にレオポルドの兄弟によって買い取られます。
ccl1

こうやってみるとルネッサンスからバロックまでの巨匠の作品が収集されていますね。

スペイン王の孫たち〜2〜

アルノ河南地区
11 /23 2017
ピッティ宮殿のパラティーナ美術館にて行われている肖像画の展示会「スペイン王の孫たち I nipoti del re di Spagna」をご紹する第2弾です。
開催期間 2017年9月18日〜2018年1月7日
nipoti del re5
スペイン王カルロス3世の孫たち、つまりトスカーナ大公ピエトロ・レオポルド(のちに神聖ローマ皇帝レオポルド2世)とカルロスの娘マリア・ルドヴィカの間に生まれた子供は16人もいます!

「トスカーナ大公ピエトロ・レオポルドと家族」
 Wilhelm Berczy作 1781年

nipoti del re 10
この絵が描かれた時点で二人の間には10人の子供がいました。日常的な雰囲気が溢れる作品で、小さな子供達は遊んでいます。大きな子供達は地球儀を指差したり、楽器を奏でたり、教育を受けている場面です。

「マリア・テレーザの肖像」
 アントン・ラファエル・メングス作 1770年

nipoti el re9
カルロス3世の依頼により、画家がフィレンツェで描いた作品の1枚です。
ピエトロ・レオポルドの長女で、祖母(女帝マリア・テレーザ)と同じ名前を持っています。
3歳ぐらいの肖像で、ベラスケスの絵にも見られるようなスペインで流行した横に広がるスカートを着ています。

「フランチェスコの肖像」
 アントン・ラファエル・メングス作 1770年

nipoti del re8
ピエトロ・レオポルドの長男で、2歳半ぐらい。
まだ足元もおぼつかない歳ですが、豪華な椅子に寄りかかり指差す仕草は、さながら小さな君主のポーズです。

「ハプスブルク・ロレーナのフランチェスコの肖像」
 Johan Zoffazy作 1775年

nipoti del re11
ちょっと成長したフランチェスコくん、7歳です。まだまだ幼いのに、神聖ローマ帝国の後継者としての姿で描かれています。

「フェルディナンドとマリア・アンナの肖像」
アントン・ラファエル・メングス作 1770年

nipoti del re7
バロック時代の典型的な公式肖像画で、豪華な衣装と家具に囲まれた君主の子供達の様子です。
フェルディナンドはピエトロ・レオポルドの跡を継いでトスカーナ大公フェルディナンド3世になります。

「コンピアント」
アントン・ラファエル・メングス作 1779年

nipoti del re6
メングスの唯一の自筆サインが入っている作品です。13世紀まで遡ることができるフィレンツェのリヌッチーニ家の注文でラファエロ作「聖家族」と対になるように描かれました。修復によって色彩の美しさが際立つ作品となりました。現在は個人の所有となっています。

この特別展はパラティーナ美術館の最後の方、壁龕の部屋で開催されています。子供達の肖像画の多くは普段はプラド美術館に展示されています。

スペイン王の孫たち〜1〜

アルノ河南地区
11 /22 2017
ピッティ宮殿のパラティーナ美術館にて行われている肖像画の展示会「スペイン王の孫たち I nipoti del re di Spagna」をご紹介します。
開催期間 2017年9月18日〜2018年1月7日
nipoti del re5
この展示会は、ウッフィツィ美術館が新しく購入したAnton Raphael Mengsの絵画作品を紹介するために催されています。
ポスターはトスカーナ大公ピエトロ・レオポルドの二人の子供フェデリコとアンナ・マリアを描いた作品です。1720年代に画家がフィレンツェに滞在していた時期に制作されましたが完成には至らず、画家の娘の手に渡りました。近年になってその子孫が所有していることがわかったものです。

アントン・ラファエル・メングスは、18世紀のドイツの画家で、ローマ、マドリード、ザクセンなどで活動し、スペイン王カルロス3世の宮廷画家として有名です。新古典主義における先駆者でした。

「スペイン王カルロス3世の肖像画」
 メングス作 1767年
nipoti del re4
カルロス3世は、ナポリ・シチリア王で、のちブルボン朝のスペイン王となった啓蒙専制君主です。
スペインのフェリペ5世とパルマ公女エリザベッタ・ファルネーゼの間に生まれ、16歳でパルマ公になりました。
南イタリアは13世紀からスペイン領となっていましたが、スペイン継承戦争にてオーストリアに奪われました。ポーランド継承戦争ではカルロス3世がシチリアとナポリを取り戻します。
ナポリとシチリアは別々の王国でしたが、実質的にはこの時に両シチリア王国が成立しました。
異母兄の死去によりカルロスがスペイン王に即位。フランスと同盟を組んでイギリスに対抗します。

「ローマ皇帝フランツ1世と皇后マリア・テレジアと子供達」
 Martin van Meytens作 1756年
nipoti del re3
こちらはハプスブルク家のメンバーがシェーンブルン宮殿に勢揃いの図。衣装博物館の所有の作品。
シェーンブルン宮殿にある同様の作品には11人の子供しか描かれていませんが、こちらのヴァージョンにはさらに新しく生まれた2人も揃っています。最終的に二人は16人の子供を授かっています。
このうち三男のピエトロ・レオポルドが父親の死後にトスカーナ大公の地位を受け継ぎます。
レオポルドはスペイン王カルロス3世の王女マリア・ルドヴィカ(ルドヴィカはイタリア語ではルイーザ)と結婚し、両親と同じく16人の子をもうけました。

「ハプスブルク、ロレーヌ家のピエトロ・レオポルドの肖像」
 メングス作 1770年
nipoti del re2
ピエトロ・レオポルドはトスカーナにおいて啓蒙的改革を行います。チェーザレ・ベッカリーアの『犯罪と刑罰』の死刑廃止論に影響を受けて死刑の執行を停止しました。1786年にはヨーロッパの国として初めて、死刑そのものを完全に廃止。
トスカーナの軍縮を図り、余剰金を税率低減の財源とします。革新的すぎて施行できませんでしたが憲法の起草も命じています。
トスカーナ大公在位は25年に及びますが、兄ヨーゼフ2世が死去したため、レオポルドが神聖ローマ帝位を継ぎました。トスカーナ大公位は自分の次男のフェルディナンド3世に継がせます。

「ブルボン家のマリア・ルドヴィカの肖像」
 ロレンツォ・ティエポロ作 1763年
nipoti di re 1
1764年にピエトロ・レオポルドと結婚。
作品はパルマ公のコレクションから。ヴェネツィアの画家は、若さに満ちた王女を当時、貴族の間で流行していたオウムと一緒に描いています。

次回は二人の子供たちの肖像画を見て行きましょう。

オリーブも葡萄もトリュフも不作な2017年秋

写真館
11 /21 2017
今日は2017年10〜11月に撮影した写真をまとめてみました。

夕日を浴びるサンタクローチェ教会のファサードとダンテの像です。
dante
10月にはこの教会内で大変な事件が起きました。
教会内の柱の一部が自然に剥離落下、スペイン人観光客を直撃し、その方が亡くなってしまうという痛ましい事件です。数日前にチェックが行われたばかりだったのに…
教会は2週間、再チェックのために閉まっていましたが、現在は再開しています。
この事故の関連でしょうか?ドゥオーモも大きなクレーンを使って大きな規模のチェックが行われています。

休館日にアカデミア美術館を貸し切って鑑賞するという豪華プランのグループを担当しました。
お休みの日には、こんな風に彫刻のホコリ払いが行なわれているのですね。
accademia

こちらはアルノ川の南岸のレストランにて。スライサーではなくて包丁で薄〜くハムを切っていました!
prosciutto

だんだん日が短くなってしました。11月に入れば雨の日が多くなりますが、まだまだ見事な夕焼けが見れる季節。
tramonto

夏至の頃は日没時間は21時ですが、11月は17時ごろになります(サマータイムが終わったせいもあります)
17時ジャストにクルーズのお客様を船に送り届けました。クルーズの季節も終わりですね。
tramonto2

暗い季節になると、町は徐々にクリスマスのデコレーションが見られるようになります。
こちらは毎年違うクリスマスツリーが見れるPoggiのウィンドウ。
natale2017-2
今年は不思議の国のアリスとクリスマスのコラボのようです。
natale2017-1

レオナルド・ダ・ヴィンチの生家は修復が終わり、ホログラムのレオナルドが彼の一生について語ってくれるようになりました。
vinci

ところで2017年の夏は本当に暑かったので、水不足も深刻でした。そのためオリーブも葡萄もトリュフも不作!
ピサ県のサン・ミニアートは白トリュフで有名ですが、レストランのオーナーも「今年は例年より高い値段になっている」とのこと。
こちらの白トリュフのタリアテッレは60ユーロ(7900円)でした!
tartufo

伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。