レストランの中の遺跡

イタリアで食道楽
04 /04 2018
フィレンツェのプロコンソロ通りにあるレストランFishing lab
内部はとてもモダンでお洒落です。2階に上がると中世のフレスコ画の中に詩人ダンテの姿も見つけられます。
そして地下に降りていくと、壁がゴツゴツしていて注意書きが置かれています。
「お客様各位
 こちらから遺跡発掘進行中の空間です。気をつけて進んでください。
 床の割れ目、岩の角、薄暗がり、小さな段差などの危険があります」

よくこんなところにレストランを開くことが許可されたな〜!
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テーブルのすぐ横に遺跡発掘部分が…

店の人に「この構造は何ですか?」と聞いたところ「おそらく古代の染物屋の跡、でもまだはっきりわかっていない」とのことでした。なんかヴェネツィアの地盤(泥の中に木の棒を植えて、その上に石板を置き建物の地盤とした)に似てますよね?

しかし遺跡の周囲に防御用のガラスも何もないのですが、何か物を落としたらどうなるんだろう…?
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このレストランは魚料理で有名です。

アペリティフでscorfano(フサカサゴ)のナゲットをつまみつつ、グラスワインを飲んでもいいですし
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こちらはスカンピ(手長エビ)生です!
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尻尾に切り目を入れてハサミを差し込み固定してある大胆なポーズ!
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鯛の塩釜焼き!焼き固まった塩を割るのも楽しい(店員さんがやってくれます)塩釜効果で、鯛にじんわりと火が通り、身はふっくら、意外に食する部分はうっすらとした塩味。美味しいです。
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人気のレストランなので予約していった方がいいかも!
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バルサミコ酢の秘密

イタリアで食道楽
12 /19 2017
モデナのacetaiaで聞いてきた説明のメモです。

acetaia(アチェタイア)とは「伝統的なバルサミコ酢 aceto balsamico tradizionale」を生産する場所のことです。
エミリアロマーニャ州のモデナ県とレッジョ・ネッレミーリア県にあります。

「伝統的なバルサミコ酢」と呼ばれる酢は下記の条件を満たしたものです。
◉限定された生産地の葡萄を使って生産
◉最低12年樽で熟成させたもの
◉原料は葡萄の絞り汁を煮たもの(mosto cotto di uva)だけ


これらの条件を満たすとDOP(保護原産地呼称)の認証がもらえます。

一般にスーパーでよく売っている安価なものは「バルサミコ酢 aceto balsamico」であり
◉モデナでボトル詰めするだけで良い(葡萄は他の土地のものも使える)
◉樽で長期熟成させなくてもOK
◉ワインビネガーや砂糖を混ぜることができる


「伝統的なバルサミコ酢 aceto balsamico tradizionale」はボトルの形も決まっていて、最低12年熟成させたものは白い蓋、最低25年熟成させたものは金色の蓋がついています。

(樽について)
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樽から樽に移して熟成させますが、違う種類の木を使い様々な香りを酢に移します。
今回のアチェタイアでは桜、栗、桑、ビャクシン、樫の5種類の樽を使用していました。
アチェタイアによっては7〜9種類使うこともあり、熟成樽の順番もそれぞれのレシピであり、これは企業秘密だそうです。
また熟成の段階で酢の一部がゼリー状に固まることがあり、これを水で薄めて樽の外側に塗ります。そのため樽の外部が黒っぽくなっています。
樽の上部の穴は空いたままで、ここから水分が蒸発して酢が凝縮されていきます。穴の上は四角い布地が置かれていますが、これは埃や虫が混入するのを防ぐためです。
酢を移す順番に樽を①→②→③→④→⑤とすると⑤が一番小さな樽です。
⑤の樽のバルサミコ酢は1年に10%ほど水分が蒸発します。そこで④のバルサミコ酢を10%移します。
④の酢も10%ぐらい少なくなっている上に⑤に移したのでマイナス20%となります。
そこで減った分を③の樽から移します。このように減った分の酢を横の樽から足していくわけです。
ちなみに樽は熟成に長く使ったものが貴重で、100年以上使う樽もあるとか。
見学場所で一番古い樽は18世紀のもので、なんと4万ユーロ(500万円以上)!!

樽が設置されている部屋は普通2階にあり、冷房は入れないので夏に多く水分蒸発が起こるそうです。
最終的には100リットルのブドウ絞り汁から5〜7リットルほどのバルサミコ酢が生産できます。
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バルサミコ酢はその熟成度によって、若い酢はサラダやブルスケッタに、長く熟成された酢は魚や肉にかけて使います。ただし熱を通すと香りが飛んでしまうので、調理の最後にちょっとかけるのがいいそうです。

ミントの香りの…

イタリアで食道楽
11 /09 2017
フィレンツェ、サント・スピリト地区の庶民的なトラットリアで海産物のアンティパストを頼んだら、こんなに山盛りのお皿が出てきました。
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スカンピ、ボンゴレ、ムール貝。4人に食べても満足な量でした!

ここで普通は手を綺麗にするためのウェットテッッシュが出てくるはずですが…
これはなんだろう?
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中央のミルクピッチャーには生ぬるい湯とミントの葉が入っています。

そして周りの白い錠剤の上にこのお湯をかけると膨張して…手拭きになるのでした!
面白〜い!!
使用後にはうっすらとミントの香りが漂っていました。

「牛の心臓」という名のトマト

イタリアで食道楽
06 /21 2017
前回の日記で「ピサネッロのトマト pomodoro pisanello」という、トスカーナ州のピサ県とリヴォルノ県で栽培されているトマトを紹介しました。

これによく似た形をしたトマトで、北から南の州(ピエモンテ、リグーリア、トスカーナ、アブルッツォ、サルデーニャ、シチーリア)で栽培されているトマトがあります。

ピサネッロによく似ているのですが、もっと丸い盛り上がった形をしています。
その名も「牛の心臓 cuore di bue」です。
牛の心臓
形はいびつで皮が薄く、サラダ用に使うトマトです。

皮がとても薄いので全て手摘みされるそうです。

呼び方は地方によって違い、アブルッツォ州では「アブルッツォの洋梨」と呼ばれるんだとか…
確かに洋梨の形にも似ていますね!

バリエーションに満ちたトマトが積み上げられているイタリアの八百屋さんで探してみてください。

ピサのトマト

イタリアで食道楽
06 /19 2017
ピサネッロといえば、15世紀のイタリア人芸術家の名前です。
国際ゴシック様式の代表的な画家であり、肖像入り記念メダルの作家としても著名です。
本名はアントニオ・ディ・プッチョ・ピサーノ。ピサーノという苗字からピサ出身であることがわかります。

この芸術家と同じ名前を持ったトマトがあります。
pomodoro pisanello
pisanello
イタリアの八百屋やスーパーに行くと様々な種類のトマトが並んでいますが、その中でもとても変わった形をしています。
生産地方はトスカーナ州ピサ県とリヴォルノ県。
身は硬く、水分は少なく、強い香りがします。
フィレンツェのトマトcostituto fiorentinoによく似ているのですが、ピサのトマトの方が押しつぶした形なんだそうです。

ブルスケッタを作るときに適したトマトだということですよ。
ブルスケッタはパンを切って、軽くトーストし、その上に具をのせたアンティパストです。
トマトのみじん切りや、キノコ、鳥のレバーペーストをのせたものが一般的です。

水分が多いとパンがボロボロになってしまうので、水分の少ないこのピサのトマトが向いているのでしょう。

伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住25年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。