「牛の心臓」という名のトマト

イタリアで食道楽
06 /21 2017
前回の日記で「ピサネッロのトマト pomodoro pisanello」という、トスカーナ州のピサ県とリヴォルノ県で栽培されているトマトを紹介しました。

これによく似た形をしたトマトで、北から南の州(ピエモンテ、リグーリア、トスカーナ、アブルッツォ、サルデーニャ、シチーリア)で栽培されているトマトがあります。

ピサネッロによく似ているのですが、もっと丸い盛り上がった形をしています。
その名も「牛の心臓 cuore di bue」です。
牛の心臓
形はいびつで皮が薄く、サラダ用に使うトマトです。

皮がとても薄いので全て手摘みされるそうです。

呼び方は地方によって違い、アブルッツォ州では「アブルッツォの洋梨」と呼ばれるんだとか…
確かに洋梨の形にも似ていますね!

バリエーションに満ちたトマトが積み上げられているイタリアの八百屋さんで探してみてください。
スポンサーサイト

ピサのトマト

イタリアで食道楽
06 /19 2017
ピサネッロといえば、15世紀のイタリア人芸術家の名前です。
国際ゴシック様式の代表的な画家であり、肖像入り記念メダルの作家としても著名です。
本名はアントニオ・ディ・プッチョ・ピサーノ。ピサーノという苗字からピサ出身であることがわかります。

この芸術家と同じ名前を持ったトマトがあります。
pomodoro pisanello
pisanello
イタリアの八百屋やスーパーに行くと様々な種類のトマトが並んでいますが、その中でもとても変わった形をしています。
生産地方はトスカーナ州ピサ県とリヴォルノ県。
身は硬く、水分は少なく、強い香りがします。
フィレンツェのトマトcostituto fiorentinoによく似ているのですが、ピサのトマトの方が押しつぶした形なんだそうです。

ブルスケッタを作るときに適したトマトだということですよ。
ブルスケッタはパンを切って、軽くトーストし、その上に具をのせたアンティパストです。
トマトのみじん切りや、キノコ、鳥のレバーペーストをのせたものが一般的です。

水分が多いとパンがボロボロになってしまうので、水分の少ないこのピサのトマトが向いているのでしょう。

フィレンツェで一番美味しいTボーンステーキ?

イタリアで食道楽
04 /18 2017
佐々木蔵之介さんの世界のステーキを紹介する番組に出てきたフィレンツェのレストランOsteria dall'Oste
今まではフィレンツェSMN駅横にある一店だけでしたが、この度、中心街に支店がオープンしました。
コインというデパートの裏道Via de'Cerchi(チェルキ通り)です。
これで駅方面まで出て行かなくても、この店のステーキが食べれます。
oste
普通はフィレンツェ風Tボーンステーキといったら、キアニーナ牛の肉を使うのが普通ですが、こちらではキアニーナの他にアイルランド産や、イタリアで生育させた和牛の肉など数種類から選ぶことができるようになっています。
(一番高いのが和牛です!)
1kg単位でお値段がメニューに表示されています。Tボーンですから骨の重さも含まれるので、ちょっと多目かな?というぐらい注文した方がいいでしょう。
4人で1kg頼むと、一人が2〜3切れとなります。肉はかなり厚さがあるので、パスタを先に食べていたら2〜3切れでも十分かなという感じですね。

レストランのサイト Dall'Oste

マロッキーノ

イタリアで食道楽
04 /17 2017
イタリアのバールでは様々なカフェを飲むことができますが、今日は「マロッキーノ」を紹介したいと思います。
Il marocchino、直訳すると「モロッコの、モロッコ人」という意味になるカフェとは…
marocchino
マロッキーノは地方によっては「ヴェトリーノ」「エスプレッシーノ」と呼ばれることもあります。

元々は18世紀からトリノで飲まれていたbicerinがオリジナルです。ただしbicerinは大きめのガラスのグラスで飲むもの、これをローマのバールで小型化したのがマロッキーノです。現在はイタリア中のバールで飲むことができます。

バールによってバリエーションがありますが、オリジナルのマロッキーノは
「エスプレッソコーヒー+粉末ダークチョコレート+泡だてたミルク」
小型のガラスのカップに入れるのが基本です。

(上の写真はマロッキーノにさらにパンナをのせてもらいました)

1930年代に髪を留めるために使っていた革製のバンドの名前が「il Marocco」で、その革の色にカフェの色が似ていることから「小さなMarocco」でIl marocchinoになったんだそうです。

マロッキーノの作り方はこちらilly marocchino caldo

初夜にアーティチョークを食べ過ぎたカテリーナ・ディ・メディチ

イタリアで食道楽
02 /19 2017
以前に比べると日本でもズッキーニやルッコラなど、イタリアで常食されている野菜が入手しやすくなっていますね。それでもなかなか見かけることができないのがアーティチョークではないでしょうか。イタリア語ではcarciofi(複数形 カルチョーフィ)と呼びます。和名はチョウセンアザミなのですが、この名前からもわかるようにツボミの周りに棘があって、調理する時に気をつけないとチクチクします。
アーティチョーク
この野菜、食用できる部分は少なく、苞片基部の肉質部分(ちょっと白っぽい)を歯でしごくように食べ、あとはツボミの中心部分が食用です。レモンと一緒に煮るとアクが取れるのですが、水が濃い茶色になるくらいアクが強いのです。

食感は食物繊維が豊かなのがすぐわかります。ちょっとお芋に似ているでしょうか。
でもなんとも形容しがたい味です。
シナリンという成分が入っていて、そのためにアーティチョークの後に食べたものが甘く感じられるようになります。この成分には肝臓の解毒に効果があるそうですから、お酒を飲んだ翌日とかに食べるといいかも?

野生のアザミが食用に改良されたのは1世紀ごろのシチリアだとされています。
花が咲いた様子はまさにアザミですね。
アーティチョークの花
16世紀にフランスのアンリ2世と結婚したカテリーナ・ディ・メディチは、多くの料理人をフランスに連れていって、フランス料理に大きな影響を与えたことで知られています。彼女によってアーティチョークもフランスに伝わりました。当時はアーティチョークは媚薬だと考えられていたので、彼女は初夜の日にアーティチョークをたんまり食べたというエピソードがあります。

現在、アーティチョークには強い抗酸化作用、アンチエイジング作用があるとされています。

世界で栽培されているアーティチョークの中で60%が地中海の周り(特にイタリア、スペイン、エジプト)で生産されています。
イタリアは全世界アーティチョーク生産量の30%を占め、シチリア島、サルデーニャ島、プーリアが主要な生産地です。

参照 Storia e proprietà del carciofo

伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。