伝統の歴史ジャンル

アルノ河南地区
03 /10 2017
フィレンツェの支配者であったメディチ家が住んでいたピッティ宮殿。
その中には多くの美術館が併設されています。ラッファエッロやルーベンスの絵があるパラティーナ美術館からさらに階段を登った3階にある「「La Galleria d'arte moderna 近代美術ギャラリー」の作品と部屋を紹介する第15弾!

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カフェミケランジェロに集まった画家を中心に展開された新しいジャンルは、トスカーナアカデミー学派の伝統芸術と必然的に対決することになります。
世紀中頃の展示会において、アカデミー派は過去のマエストロたちのデザインと形態の回復を基本とした、申し分のないクオリティを示し、フランスの現代美術と対峙しました。

文学的な味付けをし、主知主義を添えたリアル観察を活用させる素晴らしい作風は、アントニオ・チゼリの作品の中に最大限に生かされています。
またガブリエレ・カスタニョーラやロドルフォ・モルガーリの作品の中には人を惹きつける物語性があります。
彼らはマッキャイオーリ派の美術の発展に対照的な、公式の作風を打ち立てています。

「エッケ・ホモ」アントニオ・チゼリ作
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「エッケ・ホモ」は「見よ、この人だ」とか「この人を見よ」と訳されます。磔刑を前に、鞭打たれ荊冠を被せられたイエス・キリストを侮辱し騒ぎ立てる群衆に向けて、ピラトが発した言葉です。
チゼリの作品ではキリストとピラトの背中側からバルコニーが写実的に描かれています。脇役となるピラトの側近や兵士、秘書や妻に焦点があてられているのが面白い場面です。

「死にゆくラッファエッロ」ロドルフォ・モルガーリ作
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死の床にあるラッファエッロが恋人のフォルナリーナのために枢機卿に神の哀れみを乞うています。
フォルナリーナはシエナのパン屋の娘で、ラッファエッロの作品の中には彼女の肖像画があります。
ラッファエッロは女遊びが過ぎた上に、瀉血で弱って亡くなったという説もありますが…

「フィリッポ・リッピとルクレツィア・ブーティ」ガブリエレ・カスタニョーラ作
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ボッティチェッリの師匠フィリッポ・リッピは画僧でありながら女好き。尼僧のルクレツィアを誘惑し駆け落ちをするという騒ぎを起こします。カスタニョーラの作品では画僧の様子ではなく、引き気味のルクレツィアを誘惑する若い画家風になっていますね。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。