修復された東方三博士の礼拝〜2〜 蘇った輪郭線

シニョーリア広場地区
04 /21 2017
修復が終わりフィレンツェのウッフィ美術館にレオナルド・ダ・ヴィンチ作「東方三博士の礼拝」が戻ってきたため、2017年3月28日〜9月24日の期間、特別展が開催されています。
特別展「Il cosmo magico di Leonardo da Vinci: l’Adorazione dei Magi restaurata レオナルド・ダ・ヴィンチの魅惑のコスモ、修復された東方三博士の礼拝」を紹介する第2弾。

5年半もかかった修復前は作品はどのような状態だったのでしょう?
特別展に修復前の写真(原寸大)が展示されていました。
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この部屋の照明が暗いせいもありますが、人物や馬の輪郭がぼんやりとしか見えない作品でした。

それが修復後…
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こんなに明るい作品になってしまったので、特別展初日に同僚のガイドがこれはコピーなのか?と疑ってしまったのも頷けます。

修復は2011年11月にウッフィ美術館から貴石加工所に作品を移動させるところから始まりました。
数ヶ月に渡って科学的検査が行われ、画面を暗く見せる表面にこびりついたニスと物質の層を解析しました。
こうして2012年10月に表面の汚れを除去する最初のフェーズが開始されたのです。
作業はどの部分を除去するのか、どの部分を保存するのか、選択の連続でした。
このきれいにする段階で、それまで見えなかった作品の詳細が明らかになってきたということです。
特別展で流されている修復のドキュメンタリー映像から。
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こちらも一緒に展示されています。フィリッピーノ・リッピ作「東方三博士の礼拝」
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未完成のレオナルドの作品の代わりにフィリッピーノが15年後に描いた作品です。

フィリッピーノは画像フィリッポ・リッピの息子、ボッティチェッリの弟子にあたります。
彼はブランカッチ礼拝堂のマザッチョの未完作品に手を入れて完成させたこともありました。
マザッチョとレオナルド、ルネッサンスの二人の巨匠を補完したというところから、フィリッピーノの器用さと当時の評価の高さがわかります。

この作品ではフィリッピーノは中央に3人を三角形に配置させています。ボッティチェッリ→レオナルド→フィリッピーノと「東方三博士の礼拝」のテーマにおいて、同じ構図を踏襲しているのですね。

またまた次回に続きます!
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。