修復された東方三博士の礼拝〜3〜 レオナルドの指紋

シニョーリア広場地区
04 /22 2017
レオナルド・ダ・ヴィンチ作「東方三博士の礼拝」の修復が終わった記念に開催されている特別展「Il cosmo magico di Leonardo da Vinci: l’Adorazione dei Magi restaurata レオナルド・ダ・ヴィンチの魅惑のコスモ、修復された東方三博士の礼拝」(2017年3月28日〜9月24日)を紹介する第3弾です。
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5年半に及ぶ修復では、まず画面を暗くしている釉薬やそこにこびりついた汚れの層を取り除くことから始めりました。この時点で画面に残されていたレオナルドの指紋や手のひらの皺のあとが発見されたそうです。
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また作品の保存において問題があったのは地盤の板の構造です。
細かく検査が行われ、細菌の繁殖によって弱くなった裏面の横板の動きがチェックされます。

そして汚れを取り除くことによって判明した、色彩が脱落している部分は上書きによって埋められます。
これはごくごく小さい面積の上塗りだったそうですが…
修復には「保存」を目的にして手を付け加えない方法と、手を付け加える「invasivo 侵略性」の修復があります。ここでは後者も用いられたと解釈できます。
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修復前と比べると人物や動物、建築の様子がはっきりと読み取れるようになりました。

馬や動物を描くことが好きだったと言われるレオナルド。
やはり完成し得なかったヴェッキオ宮殿の500人広間の壁画にも、このような馬の激しい動きを描こうとしていたのでしょうか?
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馬のひょうきんな表情まで読み取れるようになっています。
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レオナルドの「ノンフィニート(未完)」の作品状態は、彼の製作過程を知ることができます、
空には最初の塗りとして淡い青を塗り、人物には赤と茶色、白いハイライトが使われています。
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この右端のハイライトが入っている人物にはレオナルドが自画像を描いたという説もあるそうです。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。