フェスタにはフェストーネ

芸術を読み解く
05 /31 2017
「フェストーネ」とは、花や果物を編み込んだ紐で、輪型にしたり吊り下げたりするモチーフをを絵画や彫刻で表したものです。
またフェスタ(祝祭)の時に使われる花飾り全般をフェストーネと呼びます。

古代にはフェストーネは自然の装飾エレメントとして、神殿の円柱から吊り下げていました。
浮き彫りモチーフとしては、古代ギリシャで紀元前3世紀ごろから使われるようになります。
ヘレニズムの時代に急速に普及し、浮き彫りだけではなく、フレスコ画やモザイクでも表現されました。
そして古代ローマ文化ではフリーズ(軒下の彫刻を施した部分)や石棺に、浮き彫りフェストーネが見られます。
さらにローマ文化を経て、キリスト教美術でも使用されました。
ルネッサンスの時代には古代ローマにインスピレーションを得たグロテスク文様の中で使用。

レオナルド・ダ・ヴィンチ作「受胎告知」
受胎告知
マリア様が本を置いている書見台にもフェストーネの浮き彫りが。

1922年のローマ進軍(イタリア王国でベニート・ムッソリーニが1922年10月に行った政権獲得のためのクーデター)では、考古学者であるジャコモ・ボーニの提案によって古代ローマ異教文化の祭りが行われ、フェストーネを使用しました。ボーニはフェストーネを古代イタリア人の芸術的表現の一つとしたのです。

参照 festone
   「ヨーロッパの装飾と文様」海野弘 パイインターナショナル
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。