エレクトリック・ルネッサンス〜1〜

enjoyモダンアート
05 /01 2017
フィレンツェのストロッツィ宮殿にて行われている特別展「Rinascimento elettronico エレクトリック・ルネッサンス」をご紹介します。開催期間は2017年3月10日〜7月23日。
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アメリカのビデオ・アートを代表するアーティスト、ビル・ヴィオラの作品が展示されています。
ビデオ・アートは、映像と音声を扱う芸術ジャンルのひとつで、1960年代半ばに始まり、1980年代以降に爆発的に制作者の数が増えました。

展示会は宮殿の2階の大きな部屋を利用していて、イメージと音響に浸る素晴らしい経験をすることができます。
ビル・ヴィオラは70年代に実験的にこのジャンルの作品を制作し、2000年に入ってから現在まで大きな「セット」を使用しています。

特にストロッツィ宮殿の特別展では、ルネッサンス時代の作品と現代アートの素晴らしい対話を生み出しています。
過去の偉大なマエストロの作品からインスピレーションを得て、2つの時代のダイレクトな対比ができるインスタレーションを製作したのです。

ポントルモ「訪問」1528〜1530年 
プラート県のPropositura dei Santi Michele e Francesco教会
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祭司ザカリアの妻エリザベータは長い間不妊でしたが、高齢になってから妊娠して、ヨハネを生みます。親戚であったマリア(イエスの母)は受胎告知を受けたエリサベータを訪問します。この時エリサベータは聖霊によって、祝福の言葉を述べました。

ヴィオラの作品では二人の女が町の中で立ち話をしていると…
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急に激しい風が左手から流れ込み、その風に連れられるように若い女性が登場します。
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洋服の光り輝く色彩や、揺れ動く襞がとても印象的です。
信じ難いものを見たような喜びの表情、激しい風の音が、奇跡の場面を強調しています。

アンドレア・ディ・バルトロ「4人のドメニコ修道女の間の聖カテリーナ」1394〜1398年ごろ
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それぞれの尼僧の下の裾絵の部分、祈りをあげる彼女たちの様子が描かれています。

呼応するヴィオラの作品がこちら。
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同一人物の朝から夜までの5つの違う時間帯の生活を延々と流しています。
よく見ると窓の外では季節も移り変わっています。流れ行くのは一日の時なのか、一生の時なのか…

マゾリーノ・ダ・パニカーレ「ピエタ」1424年 フレスコ画
コレジャータ美術館(エンポリ)
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ゴシックとルネッサンスの過渡期の画家マゾリーノの作品の中で、最も「マザッチョ風(つまりルネッサンス風)」とされています。
マゾリーノは、ルネッサンス初期の革新的な画家であったマザッチョの師匠とされてきましたが、現在は二人の関係は共同制作者であったと考えられています。

井戸端で悲しそうな表情をしている女性が二人、しばらくすると井戸からゆらりとイエスの体が水を纏いながら立ち上がってきます。
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この展示会のシンボルともなる作品です。
奇跡がリアルになる不思議な不思議な世界…



次回に続きます。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。