Panca di via 道のベンチ

芸術を読み解く
07 /07 2017
直訳すると「道のベンチ、長椅子」となる「Panca di via」は、歴史的建築物の正面(時には側面)の下部に設けられる部分で、腰掛けることができます。
パンカ2
その使用目的は「座る」こと以外に、交通手段の衝突を防ぐ「paracarro(車止めの石柱)」として、建物基盤に挿入されたエレメントです。
歩道がなかった時代の名残なんですね。

パンカ・ディ・ヴィアは貴族や有力な家族の邸宅に設置されました。
市民はこのような家に商用で赴いたり、贈り物を届ける時に、入り口横のパンカに座って自分の番を待ったのです。

パンカ・ディ・ヴィアは古代建築要素のcrepidomaに似ています。
古代神殿の基盤が外部にせり出したようになっていたのがcrepidomaです。プリンス(祭壇や墓などの台座、台石のこと)と呼ばれますね。
これはシンボル的に地上のレベルとは違う住宅(神の住まい)であることを表すものでした。

フィレンツェではメディチ・リッカルディ宮殿やストロッツィ宮殿などにパンカ・ディ・ヴィアを見ることができます。
中世の町の様子が描かれた絵画では、人々がパンカの上に立って行事の行進がよく見えるようにと使っていた様子もわかります。

参照 Storia dell'arte italiana, Electa-Bruno Mondadori, Milano 1990
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。