格天井とステレオスピーカー

芸術を読み解く
07 /16 2017
ピサ大聖堂の天井は格天井(ごうてんじょう)です。
ピサ大聖堂
建築において天井やヴォールトを覆う正方形、長方形、八角形などの形状のくぼんだパネルを格間(ごうま)と呼びます。そして格間で覆われた天井が格天井(ごうてんじょう)です。

エトルリア時代、古代ギリシャ、古代ローマを通じて、石造りの格天井が見られます。ローマのパンテオンの天井もこの様式ですね。
またピサ大聖堂の天井のような木製の格天井はルネッサンス初期から例があります。バロック〜新古典主義の建築でも使われていきました。

イタリア語ではcassettone(カッセットーネ)
「大きな引き出し(cassetto)」という意味でしょうか。
あるいは「大きな箱(cassetta)」かな?

ピサ大聖堂の格天井を観ながら、音響機器に詳しいお客様から「これって石の壁や床に反響する音を吸収する役割があるんじゃ無いでしょうか?その時代からわかっていたとしたらすごいですよね?」と、ご質問をいただきました。

調べて見ると、格天井の目的は天井の重量を軽くするために用いられています。
ただし格天井を壁画でだまし絵のように表現する場合もあり、こちらは装飾が目的ですね。
なので音響に影響があるとしても、それは副次的な効果なのだと思います。

ちなみにステレオスピーカーのことはイタリア語ではcassa(箱)となるので、言葉的には繋がりが感じられますよね。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。