バラ窓は至高天

芸術を読み解く
06 /19 2013
「バラ窓」は教会の正面に作られる円形の窓です。ガラスや彫刻でまるでレース飾りのような繊細な装飾が見られます。
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主にロマネスク様式かゴシック様式の教会に見られますね。


教会におけるバラ窓の原型は5〜6世紀のバジリカに始まります。
12世紀にローマの大理石工が、ローマだけではなくウンブリア地方などでもバラ窓をつくり、教会の装飾として普及していきました。

それではバジリカのバラ窓はどこから来たのか?ローマ建築やイスラム建築の「オクルス」に影響を受けているそうです。オクルスはラテン語で「目」を意味し、丸い窓や開口部を表します。有名なのはローマのパンテオンのオクルスですね。

イスラム建築におけるオクルス
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この窓、キリスト教の中では、どのような意味合いがあるのでしょう?
薔薇といえば、マリア様のシンボルのひとつでもありますが、「バラ窓」という用語は17世紀からあとに見られます。「バラ窓 rosone」は「薔薇 rosa」から来たのではなく、「roue 車輪(フランス語)」に由来するようです。

バラ窓の中央にはキリストの像が入っているものがあり、その光の輪はキリストによる地上の支配のシンボルです。
これは中世の時代の神中心思想(teocentrismo 神が世界の中心であるという思想)から来ています。
ダンテの「神曲」における天国でも至高天(empireo エンピーレオ)は、神を中心に世界がまわっている様子になっています。
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これをガラス窓で表したのが、バラ窓。「世界を支配する神」がモチーフだなんて、バラ窓はとても壮大な世界を表現しているんですね。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。