おとぎの国のトゥルッロ

写真館
07 /19 2013
今までローマより南(サルデーニャ島を抜かす)に足を踏み入れたことがなかったのですが、今年の夏は初めて南イタリアプーリア州に行ってきました。イタリア半島のかかとのあたりです。

プーリア州に行くのなら、ぜひ行ってみたかった場所が「アルベロベッロ」
「Alberobello 美しい木」という名前の町のトゥルッリが見たかったのです。
trulli1

trulloはプーリア地方の中部〜南部に見られる住宅の形です。
カタカナではトルッロと書かれたりするようですが、「t」のあとに「o」が入っていないのでトゥルッロという表記のほうが正しいと思います。

古代ギリシャ語のτρούλος trúlosという言葉から来ていて意味は「クーポラ 円屋根」という意味です。

平たく加工した石灰岩を積み、壁には石灰を塗るため白くなっています。
この白い壁には紫外線を防いだり、室内を広く明るく見せる効果があります。なにしろ内部は屋根ひとつの下に一部屋というとても狭い空間です。
基本的に開口部は入り口の一つだけで、稀に壁に穴があり、通気口として使われます。
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この白い壁は保湿性にすぐれ、寒い冬の外気を防いでくれます。

屋根は円形に石を積み上げてあって、屋根を支える柱はありません。
この屋根も最初は白いのですが、だんだんと紫外線で黒くなるそうです。
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この屋根には白いラインで模様が書いてあったりしますが、これは「呪術的な意味がある」という説と「他の家と区別するため」という説があります。なかには♡を→で貫いた模様が入っていたりして、かなり可愛い…

屋根と屋根との間には上手く傾斜を利用して水路がつくられ、雨水を貯めることが出来るようになっていました。
水に乏しい地域ならではの生活の工夫ですね。
やはりヴェネツィアでも(海の上に造られたので地下水がない)雨水を広場の中央に集めて濾過するシステムが昔から造られていたのを思い出しました。

簡単な家の造りは、この地を治めた貴族が脱税をするために、調査の際に屋根を壊し「家ではない」と主張できるよう、解体しやすい家を造ったとの説があります。
そう言えば、イタリアの田園には屋根無しの廃屋がいっぱいあるのですが、使わなくなった農家や農作業小屋は税金を払わないために屋根を取り壊すと聞いたことがあります。これって今にも続く話なの…?

アルベロベッロにはこんな可愛いトゥルッロが1000軒も並んでいるんです。
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なんかジブリの映画に出てきそうな風景だと思いませんか?
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。