ワインの穴

イタリアのトリビア
09 /28 2013
フィレンツェの中心街を歩いていると、家の入り口横に小さな扉のような形をした穴があるのに気づきます。
buchette1
だいたいは塞がれているのですが、小人用の入り口のような、この不思議なものは一体

これはワイン販売所の穴なのです。
buchette del vino(ブケッテ・デル・ヴィーノ〜ワインの穴〜)と呼ばれます。

このように貴族の家で、ワインを販売するようになったのは17世紀からだそうです。
手工業と国際的な通商の発展により、フィレンツェの主産業「毛織物業」にも翳りが見えました。
「毛織物業」はフィレンツェを中世からルネッサンスの時代に通じて支えた重要な産業だったのですが…
そこで土地を持っている大貴族は農業という安定した産業へ転回していきます。
小作人に農地を耕させ、収穫物、特にワインを町中で販売したのです。
小売りなどに任せず、直接販売することによって利益を得ようとしたのが、この「ワインの穴」なんですね。

ワインの穴は建物の貯蔵庫(地下)から繋がる位置に設けられ、邸宅の召使いが日中に販売しました。
穴が小さいのはワイン瓶「フィアスコ」がちょうど通るぐらいの大きさになっていたからです。
フィアスコが描かれた静物画
fiasco

当時は小さな木の扉が付いていたようですが、現在は塞がれている穴が多いようです。
buchette3
窓の下にあると「子供用の窓」と勘違いしそうです(「子供用の窓」も存在します)

中にはこんな風に、呼び鈴にリサイクルされている例などもあります。
buchette2

散策しながら「ワインの穴」を探してみてくださいね!
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。