ブルネッロ誕生の話

イタリアで食道楽
11 /26 2013
イタリアワインのクラス分けで一番上に一するのがD.O.C.G. (Denominazione d'Origine Controllata Garantita)です。そして最初にD.O.C.G.に指定されたのが、トスカーナ地方のブルネッロ・ディ・モンタルチーノでした。

このワインを生み出したのがビオンディ・サンティ家です。
biondi santi2

モンタルチーノではモスカデッロという白ワインを主に作っていましたが、1600年以降はトスカーナの伝統的な葡萄サンジョベーゼも栽培されるようになりました。
サンジョベーゼはフレッシュでエレガントな風合いですが、カベルネほどの深さはないと言われます。

そのサンジョベーゼが突然変異して生まれたのが「ブルネッロ」です。
ブルネッロ
サンジョベーゼより大粒で色も黒い。
「ブルネッロ」という名前は「bruno 黒っぽい」という言葉からきているのです。
一般的に「ブルネッロ」と呼ばれていますが、正式にはサンジョベーゼ・グロッソと言います。

ビオンディ・サンティ家があるイル・グレッポは冷涼なマイクロクライミット(周囲と違う気候を持つ狭い土地 伊語micro clima)で、赤ワイン産地に向いていました。
1870年代にモンタルチーノはフィロキセラ(ブドウネアブラムシ)に襲われ、多くの苗が被害に遭いました。
フェルッチョ・ビオンディ・サンティはサンジョベーゼ・グロッソのクローンを新しい台木の上に接木(innesto)しました。

そして1980年に苗木選抜を行い、40本の苗木が選ばれます。さらにその中で11番目の苗(BBS-11)が最良とされました。今でもビオンディ・サンティの畑にはこの苗が植えられています。

トスカーナ地方のワインはいくつかの種類の葡萄をブレンドするのが普通でしたが、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノにはサンジョベーゼ・グロッソ一種類しか使わないのも当時としては新しい点でした。

ちなみにビオンディ・サンティで生産されるワインは苗木の年数によって名前とラベルの色が違っています。
1〜3歳の苗 ロッソ・ディ・モンタルチーノ(赤ラベル)
3〜5歳の苗 ロッソ・ディ・モンタルチーノ(白ラベル)
5〜25歳の苗 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ アンナータ
25歳以上の苗 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ リセルヴァ

ビオンディ・サンティで面白いなと思ったのは、普通のカンティーナでは長期熟成用のワインは小さな樽バリックにいれて熟成させることが多いのに、ここでは若いワインにはバリックで、リセルヴァには大きな樽を用いていたことです。他の場所と反対なのですね。これはブルネッロの香りを木の香りで消さないようにするためということです。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。