ワイン熟成のための最良の樽は?

イタリアで食道楽
11 /28 2013
トスカーナのカンティーナ(ワイン貯蔵室)を見学に行くと、ワイン熟成用の木樽には2つのタイプがあります。
数十年使うことができる大きな樽(スロヴェニアかフランスの樫を使用)
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数年しか使えない小さな樽バリック(フランスの樫を使用)

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この2つが両方を使用しているカンティーナでは
長期熟成用(リセルヴァ)ワインにはバリック
若い安いワインには大きな樽
という使い方をしていることが多いので、私はこれが普通なんだと思っていました。

バリックは値段が高い上、3回ほど使ったら引退させるので、これを使って熟成させたワインは必然的に費用が高くなります。
また小さいのでワインと木が接触する面積が大きいのと、若い樽なので香りが強く、ワインに樽の香りを移すのに向いています。

最近は、バリックしか置いていないというカンティーナも目にします。
フェラガモのカンティーナにはバリックしかありませんでした。

ところがモンタルチーノのビオンディ・サンティでは
リセルヴァには大きな樽を
若いワインにはバリックを
と反対の使い方をしていて、カンティーナのこだわりによって使いかたが異なるんだなと思いました。
(ビオンディ・サンティのような例は少数です)

ワイン熟成には木の樽以外にも
ステンレス製やコンクリート製のタンクが使われることがあります。

ステンレスタンクで発酵→木製の樽で熟成させるカンティーナが多いです。

ステンレスタンクやコンクリートのタンクの利点
木の香りが移らないのでワインの本来の香りを保存出来る。
酸素を通さないので、酸化を防止できる。

木製の樽の利点
密閉性が低いので酸化が促されて、ワインの味わいが濃くなる。
木のタンニン(渋み成分)や香りがうつり、ブーケに厚みが出る。

そうなんです!酸化を止めればいいというものでもないんですね。
ワインはボトルに移してからも熟成が進みます。中にはボトルに移してから20〜30年後が飲み頃なんてワインもあるんですね。
でも全てのワインがそうではありません。ボトルにいれて時を移さずに飲まれるワインは、コルクを開けた時にすぐに味や香りが開くように、少し酸化を進めてからボトルに入れたりします。

ちなみに黄色や黄金色の白ワインがあったら、樽熟成からくる色と考えられます。トスカーナだとベルナッチャ・ディ・サンジミニャーノのワインが黄色っぽいものがありますね。

ちなみに引退したバリックは家具などにリサイクルされていることが多いのですが、これがまたなんとも味があって可愛いのです。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。