石からレンガの城壁へ

フィレンツェ市
02 /05 2014
フィレンツェの駅の裏手にある16世紀の要塞、フォルテッツァ・ダ・バッソ。
fortezza da bassoとは「低い場所にある要塞」という意味です。
バッソ要塞が建築されたのは1534〜1537年ですが、その後1590〜1595年に丘の上にベルヴェデーレ要塞が建築され、比較して低い場所にあるという意味で「バッソ」と呼ばれるようになりました。
バッソ要塞の正式名称はFortezza di San Giovanni Battista(洗礼者ヨハネの要塞)です。
洗礼者ヨハネはフィレンツェの守護聖人ですから、フィレンツェを守る場所にはぴったりな命名ですね。
バッソ要塞
ところで、この要塞は大部分にレンガを使って建設されているのですが、これはなぜでしょう?
それ以前に建設されたフィレンツェの城壁は石を積み上げたものになっています。

これは「火器の使用」が原因です。
15世紀の終わりからカルバリン砲(砲身の長い大砲)が使用されるようになりました。
それまでの「石の城壁」は「対弓」「対石弓」で、弓矢を防ぐことができるように、高さのある壁でした。
ところがこれは火器で破壊されると、石の欠片が飛び散り、味方にも被害を与えることになるのです。
それに比べてレンガ壁は大砲の玉の衝撃を弱めることができました。そのレンガ壁は高さではなく、厚さが求められました。一部のレンガ壁が崩れても敵の侵入を困難にし、破壊された部分が内側(味方側)に崩れるのを防ぐためでした。

そう言えば17世紀に造られたルッカの全長4,2kmの城壁もレンガでできていますね。石かレンガか見れば、火器発展の前の時代のものか、後の時代のものかわかりますね。
武器の進化で城壁も変化していった、その歴史が見れて面白いです。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。