祝福を与える天使の指

芸術を読み解く
02 /06 2014
受胎告知の場面で、お告げをする大天使ガブリエルのジェスチャーには様々なパターンが見られます。
「告知」を言葉のない無音の絵画場面でどのように表すのでしょうか?
(シモーネ・マルティーニの「受胎告知」のように、お告げの言葉が場面に書かれている作品もあります)

天使が右手をマリアのほうに伸ばす
(1)「手のひらを下、あるいはマリアのほうに向ける」マリアに祝福を与えます
(2)「手の甲をマリアに向ける」指が上に伸びるので神を指し示します
annunciazione2
どちらかと言うと(1)は古い美術作品に見られがちです。時代が遡ると(2)が増えます。
この2つのパターンをミックスさせたものもあり、バロック時代の作品には左手で神を示しながら、右手でマリアに祝福を与えるポーズがあります。

神を指し示す天使の腕
(1)「天に向って伸びている」壮大な神の力をあらわします
(2)「伸ばさず、胸の近くで曲げている」神の神秘をあらわします。ここではマリアが処女のまま身ごもる奇跡です。

(2)のほうが比較的古い時代、(1)が新しい時代な表現方法です。

天使の指によるジェスチャー
(1)人差し指を伸ばす(指1本)
(2)人差し指と中指を伸ばす(指2本)
(3)人差し指と中指と小指を伸ばす(指3本)
annunciazione1
(1)と(2)は祝福のジェスチャーで、現在カトリックでは(2)の指で十字を切ります。
(3)は3本の指が「三位一体」を表します。三位とは「神、神の子、精霊」のことです。このジェスチャーでは残った親指と薬指は指先を触れさせますが、これは「神と人間」を表現するそうです。3本指のパターンはルネッサンス以前の作品に見られます。

参照un dito, due dita, tre dita
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。