D+Dでダビデの星

サンタクローチェ地区
02 /13 2014
フィレンツェのサンタクローチェ教会のファサード(正面部分)を見ると上部にダビデの星があります。
サンタクローチェ
ダビデは旧約聖書に出てくるユダヤ人の王様。その子孫から救世主が生まれると預言されていたため、イエス・キリストの先祖と考えられる人物です。

ダビデはフィレンツェ共和国の守護神とされていましたが、教会の正面にユダヤのシンボルをこのように大きく取り扱うことに関しては、少なからず議論があったそうです。
ダビデの星
サンタクローチェ教会は13世紀末に着工されていますが、このファサードが建設されたのはずっと後の19世紀。コンクールで優勝したニコロ・マタスの手によりますが、マタスがユダヤ人であったことから、このシンボルが大きく使われたことに納得がいきます。

ダビデの星はユダヤ民族あるいはユダヤ教のシンボルとされますが、その歴史は比較的新しいものです。
17世紀の三十年戦争末期において、神聖ローマ帝国のためにプラハを防衛した民兵軍に、ハプスブルクのフェルディナント3世が、武勲として各部隊の旗印を与えました。ユダヤ人部隊に対してウィーンの政府が与えたのが、ダビデの星だったのです。
政府から相談を受けたイエズス会がこのシンボルのアイディアを出しました。
「古いヘブライ文字でDの字はギリシャ文字『Δ』に似た三角形。Davidのスペルの2つの『D』の字二つを表す三角形を、互いに組み合わせた形をシンボルしてはどうだろうか」

旧約聖書にははっきりとした記述がないものの、王になる前の若き戦士ダビデが、自分の頭文字であるDを盾の上にシンボルとして付けていたとか、ダビデは革製の盾の中央に星型に金属を固定し盾を強化したと考えられていました。イイエズス会はこのような「ダビデの盾」の言い伝えを知っていたかも知れませんね。

シンボルの解釈では次のようにも考えられています。
▽は「水」「女性」を表し、△は「火」「男性」を表現する。
▽は「地」を表し、△は「空気」を表現する。

新約聖書では「ダビデの星」の形については語られていませんが、「マギ(東方三博士)は、救世主(イエス)が生まれる土地にダビデの星を追ってたどり着いた」とあります。

ちなみにダビデの星は「六芒星」とも呼ばれますが、これは「6つの頂点を持った星」を表す言葉で、図の内側にラインが入っていなくても「六芒星」となります。「ダビデの星」は「六芒星」でも図の内側にラインがあるものだけです。

サンタクローチェ教会のダビデの星には内側のラインがありませんね。代わりの星の内部には太陽のマークと、さらに太陽の中心部にはイエスの名前を記号化したモノグラムが入っています。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。