ポッジョ・ア・カイアーノ(3)古代建築再来の別荘外部

フィレンツェ市
02 /21 2014
メディチ家の別荘ポッジョ・ア・カイアーノは古代の例に倣った最初のルネッサンス建築と言われます。

ウィトルウィウスという共和政ローマ期に活動した建築家・建築理論家が『建築について』という本を著しました。現存する最古の建築理論書と言われるこの本、ウィトルウィウスはよい建築の条件として堅固さとともに快適さを条件として上げました。これがルネサンス期の建築家に特に注目され、古典的建築の基準となります。

またルネッサンス時代に最初の「万能の人」との名声を受けたアルベルティはウィトルウィウスの『建築について』とローマの遺跡を研究して『建築論』を書きます。この建築理論書に書かれている、理想的な建築がポッジョ・ア・カイアーノの別荘に反映されているのです。

別荘外部
別荘の外部はおおよそ、ルネッサンス時代のオリジナルの外観を保っていると言えます。
左右対称の階段が地上階からテラスへと続いています。
この階段はオリジナルのものを19世紀に新しい階段に換えたものです。
オリジナルのものは真っすぐの階段でした。下のUtensの絵に見ることが出来ます。
ポッジョ
現在のものはカーブを帯びた階段です。新しい階段はポッチャンティの設計に依るもので、階段奥のロッジャに馬車を着け易くするためでした。
caiano1
屋根は16世紀にアルフォンソ・パリージによって改築されていて、それまであった歩ける回廊を取り払って、軒どいを取り付けました。
ロッジャの右の壁にはフィリッピーノ・リッピが描いた「ラオコーンの犠牲」がありましたが、修復が終わって2014年3月末には、別荘内部に展示される予定です。
ポッジョ4

またフリーズ(帯状装飾)は、3色(白、青、緑)の陶器で出来ていますが、現在建築外部にあるのは20世紀にリチャード・ジノリで制作されたコピーで、オリジナルは別荘一階の部屋に展示されています。
長さ14,22m、高さ85cmの大きな装飾です。オリジナルをいつ誰が造ったかは、明確にはわかっていません。ロレンツォ豪華王の時代に建築にたずさわったアンドレア・サヴィーノの作品であるとするのが定説です。
テーマは寓意画でおそらく神話による「よい魂 悪い魂」を表現しているといわれます。
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次回はこのフリーズについて詳しく見ていきましょう。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。