ポッジョ・ア・カイアーノ(4)良き魂と悪しき魂の寓意

フィレンツェ市
02 /22 2014
ポッジョ・ア・カイアーノのメディチ家別荘正面を飾っていた陶器の帯状装飾。
現在はオリジナル陶器は別荘内部に展示されています。
この作品は謎に包まれていて、作者に関しては別荘建築当時にロレンツォ豪華王の依頼にて、アンドレア・サンソヴィーノジュリアーノ・ダ・サンガッロが担当したという説あり、
あるいは2つの時代に渡って制作され、レオ10世の時代にベルトルドによって完成されたという説があります。

またテーマに関してもよくわかっていません。ロレンツォの意図で「黄金時代」を扱ったという説あり、また「良き魂と悪しき魂」がテーマであるという説もあります。
別荘の資料も今は絶版となっているものが多いのです。ここでは別荘の係員から聞いた寓意の一つの解釈を書きたいと思います。

フリーズ(帯状装飾)は左から右に読んでいきます。
最初の部分がこれです。
fregio1

この部分の中央は「自然の母が魂を生み出す」場面です。魂は左右に別れます。
fregio2
フリーズの他の場面でも「左が悪」で「右が善」です。
これは以前もこの日記で書いたことですが、「右」という言葉は英語のライトでも、イタリア語のデストロでも「正しい」という意味があり、また「左」は英語のレフトでも、イタリア語のシニストロでも「邪悪な」という意味があるのです。

最後の審判でも神の右手には天国が、神の左手には地獄があります(最後の審判では神様の視点からなので、神様を正面から見る私たちには反対に見えます)

左に連れられていく魂。「くねる蛇を手に持つ男性」がその先にいますが蛇は「邪悪」の象徴です。
その上には自分の尾を口にくわえて環状になっている蛇がいます。
これは永遠の象徴とされ、「時」の神の持ち物で、時を擬人化したサトゥルヌスや新年の神ヤヌスと結びつけられます。
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ちなみにサトゥルヌスもヤヌスもこの後の場面に登場します。

右につられていく魂を待つのは「天球儀やコンパスを持つ男性」です。これは正しい魂が科学や天文学を研究するものに象徴されています。
労働や学問によって魂が正しい方向に昇華するというのはキリスト教の考えでもありますね。
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フリーズの説明、まだまだ続きます。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。