ポッジョ・ア・カイアーノ(5)蜂の巣箱は黄金時代のシンボル

フィレンツェ県
02 /27 2014
ポッジョ・ア・カイアーノのメディチ家別荘正面を飾っていた陶器の帯状装飾。
現在はオリジナル陶器は別荘内部に展示されています。
寓意画がテーマですが詳細がのこっていないため、その意味するとろこについて推論が立てられています。ここでは別荘の係員から聞いた寓意の解釈を書いています。その第二回目です。

陶器帯の二番目の場面は「サトゥルヌスの物語」です。
フリーズ6
自分の子に支配権を奪われると預言された農耕神サトゥルヌス(クロノスとも呼ばれる)は、これを恐れて我が子を次々に貪り食います。
そこでゼウスが誕生した時に母親は石を産着に包んで渡すと、サトゥルヌスは気がつかずにこれを食らいました。成長したゼウスは預言通り、父親を倒します。
ゼウスは野生のミツバチと山羊の乳によって育てられました。その右では兵士たちが戦っていますが、係員の説明によると、これは赤子ゼウスの泣き声をごまかすためだそうです。

戦う兵士の右にあるミツバチですが巣箱も見られて、ゼウスが食した「野生のミツバチ」とはちょっと違うようです。
フリーズ7
この部分についたは係員の方も知らないようだったので、ちょっと調べてみました。

「蜂の巣箱」は「黄金時代」の擬人像の持ち物として表現されます。
『転身物語』においてオウィディウスは、天地創造に続いて黄金・銀・青銅・鉄の4つの時代が起こった様子を述べました。「黄金時代」は基本的に人間が必要とするものは自然が与え、労働の必要のない世界です。人間は野いちごとドングリと蜜を食べ物とします。この「黄金時代」の擬人像は花冠を被り、蜂蜜の巣とオリーブの小枝を持ちます。
そしてこの世界を支配しているのが農耕の神サトゥルヌスなのです。上の物語に繋がってきますね。

偶像画は注文主の意図がわからないと推定の域をでませんが、色々なヒントを手がかりにあれかこれかと考えてみるのも楽しいものです。

陶器フリーズの寓意の解説、まだ続きます。

参照「西洋美術解読事典」ジェイムズ・ホール著
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。