オンブローネとアンブラ

芸術を読み解く
03 /31 2014
トスカーナのマレンマ地方を流れる「オンブローネ」という川があります。
ombrone
美術作品に時折、このオンブローネの寓話を扱った題材があるので、どのような話か調べてみました。

川の化身オンブローネは草地で踊っていた妖精のアンブラに恋をします。
オンブローネは彼女を追いかけ、様々な手段で彼女の気を引こうとしますが、アンブラはどこまでも逃げていきます。
逃げるのに疲れた美しいアンブラは茂みにつまずき、長い髪の毛が樹木に絡まってしまいます。
ambra
追いつめられたアンブラはディアナに助けを求め、ディアナはアンブラの貞節を守るため、岩だらけの小さな島に変身させました。

アンブラの拒否とディアナの悪意に対して、オンブローネは島を真っ白な泡で包みます。この時点でようやく自分の行動を後悔したアンブラはディアナに元の姿に戻してくれるように懇願しますが、ディアナは聞き入れてくれません。
オンブローネのせせらぎは、島となった彼女を包み、柔らかなメロディーを歌い続けました。
年老いたイトスギの木がオンブローネに言います。

 È meglio cantare, piangere, soffrire, per un irraggiungibile amore, piuttosto che non aver mai provato l'amore.
 愛を知らないよりは、到達出来ない愛に歌い、泣き、苦しんだほうがましなのだ

ローマの詩人オウィディウスの「メタモルフォセス(変身物語)」に似たこの物語、ルネッサンス時代には劇として上演されていました。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。