ミケランジェロが設計したラウレンツィアーナ図書館 その3

フィレンツェ市
04 /26 2014
ミケランジェロが設計したラウウレンツィアーナ図書館、今日は閲覧室についてまとめます。
狭く高い空間である「玄関の間」に対して、閲覧室は横長の水平性が強調された空間です。
閲覧室
部屋の左右に木製のテーブルが並んでいます。天井やテーブルを含め、部屋の大部分がミケランジェロの設計によるものです。
多くの窓が部屋を明るくしていて、窓に描かれたデザインが部屋の中に投影されています。
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窓はヴァザーリのデザインで、フランドル地方の職人によって制作されました。グロテスク模様に囲まれたメディチ家紋となっています。

テーブルの上にはその昔、本がこのような形で保存されていました。
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自由に閲覧ができましたが、本は鎖でテーブルに繋がれていました。
手稿は神学、天文学、修辞学、哲学、歴史、文法、詩、地理学というふうに分別されていたそうです。
テーブルの横にはどの本が保管されているかを示す掲示板がありました。
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20世紀初期まで、このようなシステムで本を閲覧できるようになっていました。

天井はシナノキ材でミケランジェロのデザインによって、ジョバンニ・バッティスタ・タッソが制作します。
天井
角にイルカが2匹ずつ配置され、内側には花輪とコジモ1世のシンボルであるアイベックス(野生ヤギ)がデザインされています。

床は赤白2色のテラコッタ製、1548年頃にイル・トリボロのプロジェクトでブリオーニが制作しました。
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トリボロはローマにてミケランジェロに直接会い、工事に関しての指示をもらったとされます。様々なグロテスクな仮面デザインが挿入されています。

閲覧室横にあるエルチのトリブーナの様子です(トリブーナは観覧席といった意味があります)
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この部屋は19世紀に増築された部分です。
ネオクラシックの円蓋をもち、フィレンツェ人のアンジェロ・マリア・デルチのコレクションを保管するために建設されました。有名な古書マニアであった人物です。パスクワーレ・ポッチャンティの設計で、彼はミケランジェロの閲覧室の増築も手がけました。この部屋は1970年代まで使われていたそうです。

図書館の所有物の中核はメディチ家のコレクションで、中にはピコ・デラ・ミランドラやマルシーリオ・フィチーノなど人文主義者の直筆によるものもあります。
18世紀には図書館の責任者であったアンジェロ・マリア・バンディーニがコレクションを増やしました。
19世紀にアンジェロ・マリア・デルチがラテン語やギリシャ語で描かれた手稿コレクションを寄贈。

図書館は現在も研究者に対して開かれており、エルチのトリブーナにとって代わったホールでコレクションの本を読むことが出来ます。


参照
Franca Arduini, Biblioteca Medicea Laurenziana: come un'istituzione antica ha progettato il suo futuro, in "Biblioteche oggi", vol. XXVIII, n. 5, giugno 2010
Marta Alvarez Gonzáles, Michelangelo, Mondadori Arte, Milano 2007.
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。