プラート散策(2)牢獄のサンタマリア聖堂

その他のトスカーナ地方
05 /16 2014
フィレンツェの隣町プラートを紹介するシリーズです。
今日はルネッサンス建築であるサンタ・マリ・デッレ・カルチェリ聖堂(La basilica di Santa Maria delle Carceri 牢獄の聖母マリア聖堂)をまとめます。
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プラートの町のカルチェリ広場に位置します。ルネッサンス初期の傑作といわれる建築です。ギリシャ十字というスタイルの集中式の構造となっています。

ギリシャ十字型の平面図
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伝説によれば、1484年にヤコピーノという少年が聖母子の幻を目撃し、プラートの牢獄の壁にこれを描いたとされます。一般人用の牢獄はフィレンツェと同じようにスティンケ牢獄と呼ばれていました。他にも同じような事件が起こり、次第に民衆の人気を集めていきます。そこで聖堂の建築が決まったのです。

ロレンツォ・デ・メディチはお気に入りの芸術家ジュリアーノ・ダ・サンガッロに注文し、ギリシャ十字の平面を持つ教会を建築させました。これはブルネレスキが建築したパッツィ家礼拝堂からインスピレーションを得たものです。1486~1495に建設され、内部の装飾はそれより少し後となります。

この平面図はサンガッロ自身がローマの新しいサン・ピエトロ聖堂を建設する時に、また兄弟のアントニオ・ダ・サンガッロ・イル・ヴェッキオがモンテプルチャーノのサン・ビアージョ教会を建設する時に、ベースにしたと言われます。もっともサン・ピエトロはもっと多くの人間を収容しやすいラテン十字へと、改築プランが変えられてしまいました。
ジュリアーノ自身は、ラファエッロによるローマのサント・エリージョ教会の設計をもとにしたとの説もあります。
また鐘楼は19世紀の新古典主義の建築です。

(教会内部)
縦軸と横軸が同じ長さをもったギリシャ十字の交差点の上にはクーポラがあります。
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クーポラの下の四隅にはアンドレア・デッラ・ロッビアが制作した白青2色の釉薬陶器のトンドがあり、中に4人の福音書記者の像があります。クーポラ内部は12等分されています。

中心の祭壇
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主祭壇もサンガッロの設計です。パンテオンを真似た真っ白な大理石の壁龕がありますが、後の世代によくつくられるようになるタイプの祭壇で、これはそれに先立つ例です。
祭壇の上には14世紀の小さなフレスコ画「聖レオナルドと聖ステファノに間の聖母子」が展示されています。
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ステンドグラスはドメニコ・ギルランダイオのデザインに依ります。
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このようにフィレンツェのルネッサンス時代の芸術家数人によって建設された教会なんですね。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。