石打ちはいつの時代から?

芸術を読み解く
05 /24 2014
キリスト教、最初の殉教者である聖ステファノは「石打ち(石撃ち)の刑」に処されました。
この聖人をテーマにした絵画作品は多く見られます。
石をまるでたんこぶのように頭の上にくっつけたサン・ステファノの姿は、時には可笑しくも見えます。しかし石打ちの刑のその場面はやはり残酷です。イタリア語では石打ちをlapidazione(ラピダツィオーネ)と言います。lapide-、lapido-で始まる言葉は「石」に関連した単語です。

プラート大聖堂のフレスコ画 フィリッポ・リッピ作
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石打ちの典型的な処刑法は「下半身を生き埋めにして、動きが取れない状態の罪人に対し、大勢の者が石を投げつけて死に至らしめる」だそうです。
でも美術上のサン・ステファノの殉教の場面では「下半身を生き埋め」という図像は見たことがないですね。

ステファノは、新約聖書の『使徒行伝』に登場する1世紀のユダヤ人キリスト教徒です。
彼はギリシャ語を話すユダヤ人(ヘレニスト)で、初代教会においてユダヤ語を話すユダヤ人(ヘブライスト)との間に摩擦が生じたため、問題解決のために使徒たちによって選ばれた7人の一人です。
ステファノは最高法院で「神殿偏重に陥っている」とユダヤ教を批判したため、石打ちの刑に処せられました。

「石打ち」は古代のオリエント世界で一般的な処刑方法だったそうです。現代でも一部のイスラム教国では未だにこの処刑方法を採用している地域も存在しています。イスラム法では主に通姦や不倫を犯した者に科せられるそうです。

キリスト教の世界の戻ると、律法学者らがキリストに、姦淫した女性に対する石打ち刑の是非を聞いたところ
「あなた方のうちで罪のない者が最初に石を投げなさい」と答えたという有名な話があります。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。