ガンベルッチ作「井戸のサマリア人」

フィレンツェ散策
05 /26 2014
「善きサマリア人」について書いたので、もう1枚サマリア人をテーマにした作品について書きたいと思います。

サマリア人はイスラエル人とアッシリアからの移民の混血で「イスラエル人の血を穢した者」といわれ迫害を受けていた人々です。

コジモ・ガンベルッチ作「井戸のサマリア人」アンドレア・デル・サルトの最後の晩餐美術館
井戸のサマリア人
この作品は修道院の食堂に入る前に、手を洗う場所の上に描いてあります。手を洗うのは清潔するだけではなく、「身を清める」という意味があります。

イエスの人気が高まってくると、ユダヤの指導者たちはイエスを「要注意人物」とみなすようになり、イエスは衝突を避けるためガリラヤに退くことにします。
その途中、サマリアを通りかかった時に、井戸のそばで休憩することになりました。弟子たちは昼食を調達しに出かけます。
そこに一人のサマリヤの女が水くみにやってきます。
イエス「水を飲ませてください」
女「どうしてサマリヤ人の私に頼むんですか」

普通、水を汲みにいくのは朝夕の時間帯。このような時間に1人で水を汲みにくるのは、他の人と顔を合わせたくない理由がありました。女はたいそう身持ちが悪かったのです。
イエスは、初めて会った彼女の生活のすべてを言い当ててしまいます。
そして「井戸の水を飲んでもまた喉は乾くけれど、私が与える水(信仰)は決して乾かない」と諭すのです。
「ユダヤもサマリヤもなく、霊とまことによって神を礼拝する時が来たのです」と。
彼女は町に戻り、多くの人々をイエスのもとに連れてきました。
イエスは、人からは受け入れてもらえないような者のところに助けに来てくれただけでなく、彼女を大きく用いてくれたというエピソードです。

コジモ・ガンベルッチという画家は、おそらくサンティ・ディ・ティートの弟子であった、1580〜1620年のころに活躍した芸術家です。
フィレンツェや近郊の町の多くの教会に作品を残しています。チェルトーザ修道院や、サンミニアートの大聖堂、サンタ・マリア・ノヴェッラ教会の大きな中庭等が有名です。またミケランジェロの家が現在美術館となっていますが(ブオナローティの家)、その内部の装飾も担当しました。
フィレンツェマニエリズモ後期の代表的画家という位置にあります。

参照
Dizionario biografico degli italiani, LII, Roma, Istituto dell'Enciclopedia italiana, 1999
教会学校の教材
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。