アカデミア古楽器コレクション チェンバロとピアノフォルテの違い

サンマルコ地区
05 /30 2014
ミケランジェロの彫刻で有名なフィレンツェのアカデミア美術館、その一部には楽器のコレクションが展示されています。
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チェンバロとピアノフォルテが展示されているこの部屋では、それぞれの内部構造がわかる展示があります。実際に鍵盤を押すことによって、どのように鳴っているか見えるようになっています。写真右手。
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チェンバロ(伊語 clavicembalo)は、鍵盤を用いて弦をプレクトラム(ピック 爪)で弾いて発音させる楽器です。
イタリアのチェンバロはイトスギ材を用いていて、底板を基礎として組みたて薄い側板を貼り合わせた構造です。
16世紀までは高音域で鉄弦が、17世紀以降は全域で真鍮弦を使用されるようになりました。減衰が早く歯切れの良い音が特徴となります。

対してピアノ(伊語 pianoforte)は、弦をハンマーで叩くことで発音する鍵盤楽器です。鍵を押すと、鍵に連動したハンマーが対応する弦を叩き、音が出ます。
最初のピアノフォルテはバルトロメーオ・クリストーフォリがコジモ3世のために1688年に制作しました。最初の名前は「gravicembalo col piano e forte」で、17世紀終わりからこれを短縮した名前で呼ばれるようになりました。piano(弱く)forte(強く)調節できるチェンバロという意味です。クリストーフォリは、演奏者が音をコントロールできるチェンバロをつくろうとしたのです。

時代の流れとしては
14世紀 この時代からチェンバロの記録が残る
17世紀 バロック時代がチェンバロ全盛期
18世紀末ピアノ隆盛、チェンバロ衰える

形も似ているピアノとチェンバロ、鍵盤を指で押さえて演奏する点も似ています。
その違いは…

チェンバロ 爪で弦を弾く「チーン」
ピアノ   ハンマーで叩いて音を出す「ポーン」

チェンバロ 音の強弱がつけられない
ピアノ   音の強弱や長さも調節できる

チェンバロ 倍音(楽音の周波数に対し、2以上の整数倍の周波数を持つ音の成分。音の膨らみ、揺らぎ)を多く持つ。
ピアノ   純正音が綺麗に出る

チェンバロ モデルによって様々、4~6オクターブの音域
ピアノ   88鍵で7オクターブ強

形は似ているチェンバロとピアノ、このようにかなり違ったものなのですね。


参照
Dizionario Enciclopedico Universale della Musica e dei Musicisti, diretto da Alberto Basso - Il Lessico, vol. I, Torino, UTET, 1983, ISBN 88-02-03732-9, pag. 583 ss.
楽器の世界
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。