アカデミアのジプソテーカ

サンマルコ地区
06 /02 2014
フィレンツェのアカデミア美術館にはジプソテーカ(石膏塑型の陳列室)があります。

石膏の胸像がずらりと並ぶ棚
ジプソテーカ

この細長いホールはもともとサン・マッテオ病院の女性用の病室として使われていました。
ポントルモによって描かれた病院の様子が、モノクロのフレスコ画で残っています。

現在の部屋は19世紀の芸術家の作品を集めています。特に美術アカデミー( l'Accademia di Belle Arti)に関係のある芸術家たちの作品で、二人の彫刻家バルトローニとパンパローニの作品が数多く展示されています。作品の並べ方は二人の工房の様子を再現しているとのことです。
絵画作品は1794〜1868年の絵画コンクールで出品された作品となります。

石膏塑型は、大理石作品を造る前の段階であたりをつけるために制作されました。また戦時中には作品が破壊されてしまう危険があったので、復元できるように石膏塑型をつくっておくことがあったそうです。
現在では学生がデッサンなどに使っています。

それでは二人のメインの彫刻家について見ていきましょう。
◉ロレンツォ・バルトリーニ 
18〜19世紀にまたがって活躍した芸術家です。フィレンツェ美術アカデミーにおいてアラバスターの彫刻で頭角をあらわしました。ナポレオンの妹エリーザの命により、大理石の生産地として有名なカッラーラの美術アカデミーにて彫刻の教授となりました。ナポレオン失脚後にフィレンツェに戻り、ネオクラッシックの芸術家として活躍します。

フィレンツェではアルノ河沿いにあるニコラ・デミドフの記念碑が有名で、石膏室にはそのモデルが置かれています。
ニコライ・デミドフ伯爵は、ロシアの実業家で外交官、芸術の後援者でもありました。
15歳でデミドフ家の企業帝国を継いだニコライは、年を重ねるにつれて有能な実業家となり、公共福祉事業にも多くの財産を費やしました。
在トスカーナ大公国ロシア大使に任じられ、学校や病院、その他の慈善団体を設立するための資金を拠出してトスカーナに貢献しました。
デミドフの死後、トスカーナでは彼の貢献を称えるロレンツォ・バルトリーニ制作のモニュメントが造られたのです。
バルトローニ

◉ルイージ・パンパローニ
19世紀前半に活躍した芸術家です。カッラーラの美術アカデミーにおいてバルトリーニの生徒でした。初期はナポレオンの妹エリーザから作品の依頼を受けています。
フィレンツェの町中ではドゥオーモの横に「アルノルフォ・ディ・カンビオの像」「ブルネレスキの像」があります。ドゥオーモ建築に携わった二人がドゥオーモを見つめている彫像です。
パンパローニ
これらの作品の石膏塑型もアカデミア美術館にあります。

またウッフィツィ美術館の中庭にトスカーナ出身の著名人の増が28体あるのですが、バルトリーニとパンパローニがそのうちの数体を担当しています。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。