聖なる顔の小神殿

ルッカ県
08 /08 2014
「聖なる顔の小神殿 Il Tempietto del Volto Santo」はルッカの大聖堂の中にあります。
1484年にマッテオ・チビターリによって建設されました。中には「聖なる顔 Volto Santo」と呼ばれる木製のイエスの十字架像が設置されています。
聖なる顔の小神殿
単独の建築としてはルネッサンス最初の集中式の平面図をもった作品です。ブランマンテのモントーリオのサン・ピエトロ(ローマのジャンニコロにある教会)より18年も遡る建築です。

集中式の建築は古代の作例に倣い、ルネッサンス時代の建築家が最も愛したテーマでした。
当時の多くの芸術家が集中式の建築の設計図を制作しましたが、スポンサーよりも建築家のほうがこの種の建築に魅了されていた傾向があります。集中式の建築は実際には、礼拝など実用には向いていないことが多かったためです。

単独ではなく、他の建築の一部として当時、集中式で造られていたのは
◉フィレンツェ大聖堂クーポラの頂塔
◉フィレンツェ、サンティッシマ・アンヌンツィアータ教会のトリブーナ

◉フィレンツェ、サンタ・マリア・デリ・アンジェリ教会(ブルネレスキが亡くなったため未完成)

実際「聖顔の小神殿」もスポンサーのドメニコ・ベルティー二は十字架の形を考えていました。その時代まで「聖なる顔」は教会側廊の礼拝堂に安置されていました。

建築にあたってチヴィターリはインプルネータの教会と、フィレンツェのサンティッシマ・アンヌンツィアータ教会からインスピレーションを受けたプロジェクトを提出しました。

完成した小神殿はバロックの時代には、外部が全体的に金箔で処理されていたそうです。

「聖なる顔」の十字架像は次回の日記で紹介します。

参照 AA.VV., San Martino di Lucca. Gli arredi della cattedrale, Volume secondo, Lucca, Istituto Storico Lucchese, Sezione delle Seimiglia, 1999
スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。