ウッフィツィ特別展2014「純粋にてシンプル、自然」対抗宗教改革の美術

フィレンツェ市
08 /25 2014
フィレンツェのウッフィツィ美術館で2014年6月17日〜11月7日まで行われている特別展「Puro, semplice e naturale ピュア、シンプル、ナチュラル」は、16世紀から17世紀にかけてフィレンツェで制作された作品がテーマです。
この展示会で見れる作品を一部、ご紹介する第二弾。

フィレンツェ芸術家の中で自然派は、気持ちのいい明快さと澄み渡る雄大さに重点を置きました。
ルネッサンス時代の三巨匠の影に隠れながらも、本質的でバランスの取れた形態を生み、新しい時代へと適応していったのです。
サヴォナローラに影響を受けた「サンマルコ派」と深く結びついた画家たち、ジュリアーノ・ブジャルディーニ、イル・フランチャビージョ、ジョヴァンニ・アントニオ・ソリアーニをヴァザーリは「モダンアーチスト」と呼びました。「誠実で、理解しやすく、甘美で、優美な」作風であると。しかしそれ以上ではないと。
一般庶民にキリスト教精神を伝えるために、大衆が近づき易く、大衆に布教する点において機能的、それは物語の叙述に優れた作風でした。

「ノリメタンゲレ(私に触れるな)」
フランチャビージョ 1523年 サンサルヴィ最後の晩餐美術館
mostra uffizi5
ヴァザーリはフランチャビージョのことを「その謙虚さのためにローマへの旅を諦めた。ローマの偉大な芸術家たちには敵わないと考えていたからだ。しかしこの決定はフィレンツェの伝統に忠実であろうとする意思のあらわれでもあった。アンドレア・デル・サルトの側にあって、フィレンツェの伝統の活気を感じていたからだ」と述べました。
チャッキの塔のために描かれた作品は、19世紀のフィレンツェ都市計画のために塔が破壊されために壁から剥がされてウッフィツィに買い取られました。



コジモ1世の宮廷にてブロンズィーノは、師匠のポントルモから受け継いだ作風である「物の外見をまるでそこにあるかのように描くことに専念」しました。
リアリズムに富む作風はフィレンツェで15世紀後半から見られましたが、サヴォナローラやフィレンツェ司教の聖アントニーノ、そしてトレントの宗教会議(対抗宗教改革〜カトリック教会内の改革刷新運動〜)を経て、説得性を持たせるために宗教画にも導入されていったのです。
こうしてアレサンドロ・アッローリ、ドメニコ・ポッジーニ、ジョヴァンニ・バンディーニなどが、形の純化させ、時には14〜15世紀のモデルを再利用しながら、新しい解釈を与えていきました。

「聖セバスティアーノ」
ブロンズィーノ 1525年 Thyssen美術館(マドリッド)
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師匠であるポントルモとともに制作したフィレンツェのサンタ・フェリチタ教会のカッポーニ礼拝堂の装飾。その中の福音書記者のトンドと繋がりがある作品です。
肉体の細かい明快な描写など、フィレンツェの伝統に根ざした作風です。
聖セバスティアーノはペストに対する守護聖人なので、1527〜1528年にフィレンツェで起こった疫病の流行に関係していることが考えられます。

「マリアとマグダラの聖マリアの家のキリスト」
アレッサンドロ・アッローリ 1578年 ポルティナーリ・サルヴィアーティ宮殿(フィレンツェ)
uffizi mostra15
サルヴィアーティ宮殿の礼拝堂を飾っていた作品です。ブロンズィーノの弟子であるアッローリは三巨匠後の宗教画の新しい要求に取り組んでいます。作品を鑑賞する信者たちを巻き込むために、だまし絵のように細部を描き込み、日常生活を描写しているのです。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。