洗礼堂の預言者たち

ドゥオーモ地区
09 /10 2014
フィレンツェ大聖堂付属美術館は館全体の修復工事のため、2015年11月まで、完全封鎖となっています。
この美術館には大聖(ドゥオーモ)やサンジョヴァンニ洗礼堂、ジョットの鐘楼のために制作されたオリジナルの彫刻や絵画作品が展示されています。

特にルネッサンス時代のドナテッロの有名な作品が揃っています。ドナテッロはミケランジェロよりも前の世代でフィレンツェではもっとも活躍した彫刻家でした。

ジョットの鐘楼のためにドナテッロが彫った預言者の像が3体、現在は一時的にサンジョヴァンニ洗礼堂の中に展示されています。
薄暗い洗礼堂の中のほうが普段の明るい展示場所より、預言者たちの迫力が伝わってくるような気がします。
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「Profeta imberbe 髭のない預言者」
ジョットの鐘楼の3層目の壁龕に設置されるために制作された作品の一つ。ヴァザーリはこの作品をニッコロ・ランベルティの作品としましたが、古文書館の資料によってドナテッロの作品であることが証明されています。他の鐘楼の彫刻作品とともに1941年には鐘楼からバルジェッロ国立博物館に移されていましたが、大戦後に大聖堂付属美術館に展示されることになりました。
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「Profeta barbuto 髭の預言者」
ドナテッロが鐘楼のために彫った2体目の作品です。「髭のない預言者」の2年後の1420年にこの作品の報酬を得た記録が残っています。さらにモニュメンタルで壮大な雰囲気に満ち、堂々としたニュアンスを前作よりさらに発展させていることがわかります。
あまり他の例に見られない右手のジェスチャーはその手が髭の中に埋もれ込んでいるようにも、前に傾けた頭を支えているかのようにも見えます。この考えるポーズは、もの静かに内的にむかう思考を表現しています。
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「Profeta Geremia 預言者エレミヤ」
おそらくナンニ・ディ・バルトロが荒削りをした石を使って制作された作品です。ナンニからドナテッロに制作の途中で注文主が依頼先を変えました。
保存状態が悪かったのと戦争の危険で、1939年に他の作品とともに設置場所の鐘楼から取り外されました。
これはこの像にとっては2回目の移動でした。最初は鐘楼の北側に設置されたのが、1464年にもっと見やすい鐘楼西側に移設された歴史があります。
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ここには展示されていないドナテッロが鐘楼のために彫った「ズッコーネ」は怒りの表情で、このエレミヤは憂いの表情であると言われます。
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ほとんど白目を剥いた恨めしそうなエレミヤは、かなりの迫力があります。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。