天井の天界〜ジュピターの間〜

アルノ河南地区
11 /03 2014
フィレンツェのパラティーナ美術館の天井画を紹介する第4弾です。
パラティーナ美術館はパラス(宮殿)という名前からもわかるように、ウッフィツィ(=オフィス)美術館よりも室内装飾が華美なものとなっています。ラファエロの作品を多く展示する美術館として有名ですが、その建築の華やかさだけでも一見の価値ありです。

バロック様式の部屋の天井画は一連の物語となっています。
メディチの若き王子が愛の女神ヴィーナスから引き離されて、戦いの神マルスの助けを得ながら冒険をする、その先に行き着いたのは…

「ジュピター(ユピテル)の間」はメディチの時代には、「謁見の間」「王座の間」として使われていました。
天井画はピエトロ・ダ・コルトーナによって1642〜1644年に描かれた作品です。
palatina4
ヘラクレスからこん棒をもらった王子がジュピターに出会っています。
こん棒はヘラクレスの典型的な持ち物であり、権力のシンボルです。

ジュピターは他の神たちに囲まれていて、神の集会となっています。
その場にメディチ家が招かれ、神の仲間入りをするという「メディチ神格化」の場面です。
王座の間にこの重要な場面を描いて、イコノロジーでメディチの権力礼賛を明確に表現しているのですね。

次回は「農耕の神サトゥルヌス」の間です。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。