天井の天界〜イリアスの間〜

アルノ河南地区
11 /06 2014
フィレンツェのパラティーナ美術館の天井画を紹介する第6弾です。
天井画に託された一連の物語「メディチ神格化」をご紹介してきました。
物語は前回で終わり。今回は「イリアスの間」の天井画をご案内します。

この大きな部屋はメディチの時代には、truccoと呼ばれるビリヤードのようなゲームをプレイするための部屋でした。
1689年コジモ3世が個人的な部屋として使うようになり、礼拝堂となります。四方の壁は「死」「審判」「地獄」「天国」を表現したナズィーニの絵画で飾られました。
その後ロレーヌ家のフェルディナンド3世がこれらの絵を取り除き、部屋をパラティーナギャラリーの一部に付け加えたのです。
1815年にナポレオンが失脚すると、追放の身から返り咲いたフェルディナンド3世はルイージ・サバテッリに天井画の装飾を依頼します。
1819〜1825年に描かれた天井画はトロイ戦争のエピソードでした。ホメロスによって「イリアス」の中に書かれた物語です。
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場面の中央でジュピターが会合に集まった神々に、トロイの戦争に介入し影響を及ぼすことを禁じています。
新古典主義の時代でありながら、バロック時代を彷彿とさせる豊かな色彩です。

パラティーナ(宮廷)美術館があるピッティ宮殿は、フィレンツェで最も大きく華やかな宮殿。
絵画作品だけではなく、宮廷の様子も楽しむことができます。ウッフィツィ美術館やアカデミア美術館に比べると空いているので、お勧めです。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。