夜のゲラルドと呼ばれた画家

フィレンツェ市
11 /11 2014
ウッフィツィ美術館の最後のあたりの展示室には、カラヴァッジョとカラヴァッジョの影響を受けた画家たちの作品が並んでいます。
カラヴァッジョの影響を受けた芸術家を「カラヴァッジェスキ」と呼びます。
今日はカラヴァッジェスキの1人を紹介したいと思います。

オランダの芸術家ヘラルト・ファン・ホントホルストは、夜の情景を描くことに秀でていたのでイタリアでは「夜のゲラルド」という意味の、ゲラルド・デッラ・ノッテ(Gherardo della Notte)と呼ばれていました。

17世紀のオランダの画家達はイタリア美術に傾倒していて、ホントホルストもその1人でした。
彼はイタリアに旅行して、自然主義とカラヴァッジオの作品に触れます。帰国後はユトレヒトで画学校を始め、ルーベンスとの交流も持ちました。

その後イギリス王チャールズ1世に招かれ、イギリスで国王夫妻の肖像画などを描き、ユトレヒトに帰った後もイギリス王の援助を受けています。

彼の作品は非常に数多く、イギリスやヨーロッパ大陸のギャラリーで豊富に展示されています。ウッフィツィ美術館には4作点が展示されています。

彼の最も魅力的な作品は、彼が磨いたカラッヴァジオの画風の中に音楽家、歌手、客のいる居酒屋を描いたものです。
ホントホルスト2
数本のロウソクで照らされる光景は、印象的な光で表現されています。

こちらはウッフィツィ美術館に一点だけある彼の宗教画です。
ホントホルスト1
生まれたイエスから光が発していて、マリア様や天使たちを下から照らし出しています。

ホントホルストの作品が展示されている部屋は、他の部屋に比べて薄暗い照明になっていて、作品に仄かな明かりが当たっています。これがまた作品の「夜の情景」にあっていて、絵画とライティングの関係や、展示方法によって絵画の雰囲気が変わるということを示して興味深いものになっています。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。