ジョーヴィオ・シリーズから生まれた芸術家列伝

ちょっとかじる歴史の話
11 /23 2014
前回の日記でウッフィツィ美術館の最上階の廊下には肖像画コレクションを紹介しました。
メディチ家のコジモ1世の意向により、クリストーファノ・デッラルティッシモがコモの司教パオロ・ジョーヴィオが収集した肖像画コレクションをコピーしたものです。

コジモ1世のお抱えの芸術家であったジョルジョ・ヴァザーリは、このジョーヴィオの肖像画の情報の整理を任されます。
ヴァザーリはジョーヴィオのコレクションに対して
「ジョーヴィオは細部に目を向けずに、単なるがらくたの山をこしらえていた。ジョーヴィオは、姓名、出生地、作品を片っ端から混同し、正確な事実を述べず、大変いい加減であった」
と厳しく批判しています。

ヴァザーリの肖像画
ヴァザーリ1

このような経過から生まれたのが1550年に出版された「画家・彫刻家・建築家列伝」です。正式名称は
「アレッツォの芸術家ジョルジョ・ヴァザーリによりトスカーナ語で書かれたチマブーエから今日にいたるまでのイタリアの最も優秀な建築家・画家・彫刻家の伝記、及び芸術に有用かつ必要な序説」
◉チマブーエからミケランジェロまで芸術家133人の作品と生涯
◉992ページ
   
   ↓ そして18年後

第2版(1568年)出版
「アレッツォの芸術家ジョルジョ・ヴァザーリによるイタリアの最も有用かつ優秀な建築家・画家・彫刻家の伝記、及び著者自身による評論、芸術家たちの肖像画を増やし1550年から1667年までのすでに死亡した芸術家または現存する芸術家の伝記を含む補完版」
◉1012ページ

ヴァザーリが備忘録をまとめてから第2版が出版されるまで28年間を費やしているので、彼の生涯の半分をかけてまとめられた記録となります。
ヴァザーリ2

この列伝を読むことによって、レオナルドとミケランジェロが仲が悪かったとか、ミケランジェロが兄弟子と喧嘩して鼻を骨を折ったとか、ヴェロッキオが弟子のレオナルドの才能に驚き筆を折ったとか、事実かどうかはわからないにしても(伝聞した話が含まれているため)芸術家たちの様子が生き生きと現代まで伝えられているのです。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。