オルサンミケーレの守護聖人たち その3

シニョーリア広場地区
11 /29 2014
フィレンツェの中心街にある14世紀の建築、オルサンミケーレ教会。
その外壁には14の壁龕があり、ルネッサンス時代の彫刻が設置されています。これらの彫刻はフィレンツェのアルテ(同業者組合)の守護聖人たちで、それぞれの組合が注文、制作されたものです。彫刻は現在すべてコピーとなっており、オリジナル作品は美術館に収容されています。
今日はその彫刻作品を紹介する第3弾です。
オルサンミケーレ1
今日は(5)の位置にある聖ヤコポと(6)の薔薇の聖母です。

San Jacopo 聖ヤコポ
オルサンミケーレ6
◉ニッコロ・ディ・ピエトロ・ランベルティ作
◉依頼主 毛皮組合
◉1410〜1422年制作
◉大理石 213cm

彫刻に関しても、壁龕制作に関しても記録が残っていません。19世紀から制作者に関して議論がありましたが、現在はランベルティ作という結論になってます。
制作年数に関しても明確ではありませんが、他の彫像制作との兼ね合いから上の記述の時代が推察されています。

大ジャコモ(民衆の間では聖ヤコポと呼ばれます)はゴシック様式で、上に伸びる感じに制作され、ボリューム感がありません。若いひげを生やした人物になっています。
洋服の襞は、ギベルティがオルサンミケーレ教会のために彫った作品の影響が見られます。
19世紀はじめにブロンズ像に似せるために表面に上塗りがされたため、表面に染みが残っている状態です。
オルサンミケーレの教会の守護聖人像には、ブロンズ作品と大理石作品が混ざっているため、一様に見せようという試みがあったのです。

Madonna della Rosa 薔薇の聖母
オルサンミケーレ7
◉ピエロ・ディ・ジョヴァンニ・テデスコ作
◉依頼主 医者と薬味商組合
◉1399年制作
◉代理石 220cm

この作品の制作については記録が残っていないため、制作者や制作年数に関しては推測されたものです。テデスコ(ドイツ人)という名前からもわかるように、ピエロ・ディ・ジョヴァンニ・テデスコは北ヨーロッパ出身(ドイツかフランドル)とされる芸術家です。フィレンツェの大聖堂建設に関連して活動していました。

聖母は医者の組合に限らず、多くの団体の守護聖人です。この作品を傷つけた人物が1493年に死刑に処されるという事件も起きています。この聖母子像は大衆の信仰を集め、一時期は教会内に展示されていました。

王座の聖母は子供を抱き、薔薇の花束を持っています。子供が母親の手から薔薇を取ろうとしています。
像は丸みがあり、ジョットの工房の後期の作風に似通った形で、バランスや貫禄さが目立ちます。

教会内部に保管されていた期間が長いので、他のオルサンミケーレの彫像に比べると保存の状態がいいそうです。またブロンズに見せかけるための上塗りもされませんでした。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。