オルサンミケーレの守護聖人たち その4

シニョーリア広場地区
11 /30 2014
フィレンツェの中心街にある14世紀の建築、オルサンミケーレ教会。
その外壁には14の壁龕があり、ルネッサンス時代の彫刻が設置されています。これらの彫刻はフィレンツェのアルテ(同業者組合)の守護聖人たちで、それぞれの組合が注文、制作されたものです。彫刻は現在すべてコピーとなっており、オリジナル作品は美術館に収容されています。
今日はその彫刻作品を紹介する第4弾です。
オルサンミケーレ1
今日は(7)の位置にある福音書記者ヨハネと(8)の洗礼者ヨハネです。

San Giovanni Evangelista 福音書記者ヨハネ
オルサンミケーレ9
◉バッチョ・ダ・モンテルーポ作
◉依頼主 絹織物業組合
◉1515年
◉ブロンズ 266cm
◉制作費 340フィオリーニ

アンドレア・オルカーニャ作の大理石作品に代わって制作されました。オルカーニャの作品は現在は捨子養育院美術館にあります。
15世紀のはじめに組合が新しい作品を制作することを決め、大理石よりももっと高価なブロンズをつかうことにします。
ヴァザーリによれば彫刻制作の公募には若きヤコポ・サンソヴィーノも参加したとされます。

福音書記者ヨハネは禿げた髭のある人物で表現され、メインストリートであるカルツァイオーリ通りのほうに軽く傾いています。左手には開いた本を持っています。威厳のある顔やジェスチャーに、バッチョの成熟期の代表的な作品であることがわかります。またオルサンミケーレの他の作品、ドナテッロの聖マルコ像の影響が見られます。

San Giovanni Battista 洗礼者ヨハネ
オルサンミケーレ8
◉ロレンツォ・ギベルティ作
◉依頼主 毛織物商人組合
◉1412〜1416年制作
◉ブロンズ 268cm

ギベルティがオルサンミケーレのために依頼を受けた最初の作品です。その後、聖マルコと聖ステファノを制作します。また同教会のために制作された最初のブロンズ作品でもあります。ブロンズは大理石作品よりも10倍の費用がかかるため、裕福な同業者組合だけが制作を依頼することができました。
この像の制作年は、ギベルティがフィレンツェ洗礼堂の北側の扉を制作していた時代と重なります。
またフィレンツェで最初に丸彫りロストワックス製法が使用されました。ロストワックスは古代に使われていましたが、中世には失われた技術となっていたのです。ギベルティの日記によれば、失敗の際には自分で費用を工面しなければならなかったことが記されています。
作品は4つ部分に分かれて鋳造され、溶接されました。
壁龕もギベルティのデザインです。

15世紀には若き洗礼者ヨハネの制作例が見られますが、ギベルティのような年配のヨハネは14世紀の伝統です。
服の端には「OPUS LAURENTII」(ロレンツォ作)と読むことが出来ます。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。