「ソフィーの世界」に学ぶ「中世」

フィレンツェ市
01 /14 2015
『ソフィーの世界』というノルウェーの高校の哲学教師ゴルデルが出版したファンタジー小説は、優れた哲学史の入門書であり、哲学と歴史を結びつける面白い本です。この本をもとに、「中世」という時代をまとめてみたいと思います。

4世紀はローマ帝国にとって、北から侵入する蛮族と、内部の崩壊に悩まされていました。
この時代にキリスト教がローマ帝国で重要になっていきます。
313年 ローマ帝国はキリスト教を認める
381年 ローマ帝国はキリスト教を国教とする
395年 ローマ帝国は東西に分裂
476年 西ローマ帝国滅亡(1453年 東ローマ帝国滅亡)

529年 プラトンのアカデメイアが閉ざされる。イタリアではベネディクト会(大きな最初の修道会)ができる。
※キリスト教会がギリシア哲学に幕を引いたシンボル的な年

中世
「中世」とは2つの時代のはざまにある時代という意味です。
古代とルネッサンスの間、真っ暗闇の1000年に及ぶ時代とされていました。
しかしこの千年の間に、ヨーロッパでは様々な国ができて、キリスト教はヨーロッパに根付いていきます。
こうしてキリスト教はヨーロッパにおいてただ一つの支配的な世界観となっていくのです。

ローマの司教はローマ・カトリック教会の長となり「教皇」とか「パーパ」と呼ばれて現世でのイエスの代理人と見なされるようになります。
しかし一方で、王侯は新しい国をつくって、強大な教会の力に対抗する力を蓄えていきます。
こうしてイタリアでもグエルフィ(法王)派とギッベリーニ(神聖ローマ皇帝)派の争いや、法王のアヴィニョン捕囚などの事件も起きます。

またローマ帝国の領地は3つの文化圏へと解体されました。
◉西ヨーロッパ ローマ中心のラテン語のキリスト教文化圏
◉東ヨーロッパ コンスタンティンノープル中心のギリシア語のキリスト教文化圏
◉北アフリカと中東 アラビア語のイスラム文化圏(スペイン含む)

この中で古代ヘレニズムの都市を受け継いだアラブ人は、ギリシア自然科学も受け継ぎ、中世の時代には数学、化学、天文学、医学で西洋よりも優れていたのです。
ピサ人のレオナルド・フィボナッチがアラビア数字を西洋にもたらしたのには、このような背景があるのですね。

ギリシア哲学も3つの文化圏にそれぞれ伝えられます。
◉新プラトン派→キリスト教文化圏(西)
◉プラトン→キリスト教文化圏(東)
◉アリストテレス→イスラム文化圏

この3つの流れが中世の終わりにイタリアで合流し、ルネッサンスが始まるのです。
暗黒とされた中世の時代もギリシア哲学は生き延びていったのですね。
それではギリシア哲学は、中世をかけてヨーロッパに根付いていったキリスト教とどのように折り合いをつけていったのでしょうか?
次回も再び「ソフィーの世界」に学んでみたいと思います。

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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。