シエナ大聖堂 ファサード

シエナ県
01 /30 2015
シエナの大聖堂のファサード(正面部分)は、白い大理石にシエナの赤い石とプラートの緑色の石で装飾されています。
シエナ大聖堂3
上下2つの部分に分かれていますが、これは上下で建築の時期が違うためなのです。
長い期間にわたって建設されたために見えるアシンメトリーは、豊かな彫刻装飾によって隠されています。

ファサード下部
ジョヴァンニ・ピサーノの作品でロマネスク様式とゴシック様式の過渡期のスタイルです。
彼はここで1284〜1297年に仕事をし、おそらくシエナ政府から浪費に対する非難を受けたために急速にシエナから遠ざかりました。
シエナ大聖堂6
この時期に3つの入り口、2本の横側の塔が建設されています。
中央は正円アーチ、横の扉上は微妙に楕円アーチです。ジョバンニの弟子が扉横の装飾された柱や柱頭を造ります。また左右の扉上の三角形頂上には天使の像が、中央の上には聖母マリア像が立っています。このマリア様の後ろにはちょうど薔薇窓の下部があるので、まるで窓がマリア様のaueola(聖人の頭や身体を包む後光)のように見えるのです。

ジョヴァンニ・ピサーノはこの部分のゴシック彫刻も担当しています。人間の像を14体、預言者や族長、哲学者などです。現在は全ての作品はコピーとなっていて、オリジナルは大聖堂附属美術館(Museo dell'Opera del Duomo)にあります。

中央扉上にあるブロンズ製のキリストの名前を刻んだtrigrammaも同時代に制作されました。

また中央扉は20世紀にエンリコ・マンフリーニによって制作された「聖母マリアの賛美」です。

ファサード上部
カマイーノ・ディ・クレシェンティーノ(ティーノ・ディ・カマイーノの父)によって、1299〜1317年に建設されました。一時期ジョヴァンニ・ディ・チェッコの作品と考えられていましたが、彼が仕事を請け負ったのは1376年からで、担当したのは大聖堂ではなく司教館のファサードであったことが判明しています。
シエナ大聖堂4
薔薇窓は使徒や預言者を中に置いたゴシックの壁龕で囲まれています、上部中央の壁龕の中は聖母子像です。
空中まで伸びる尖塔が建物の垂直性を強調しています。
モザイクによって装飾された三角形の部分は左から「マリアの神殿奉献」「聖母の昇天」「イエスの誕生」です。これらは19世紀にアレッサンドロ・フランキのデザインにより、ヴェネツィアで制作されました。
また薔薇窓は16世紀中頃にパストリーノ・デイ・パストリーニによって造られた「最後の晩餐」です(内部から鑑賞します)

上部はゴシック盛期の作品で、14世紀始めにシエナの芸術家ロレンツォ・マイターニがオルヴィエートの大聖堂のファサードを建設しますが、このシエナ大聖堂ファサード上部の影響を明らかに受けています。しかしオルヴィエート大聖堂のファサードは下部もゴシック盛期の様式となっているので、このスタイルの完成形と言えるものとなっています。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。