シエナ大聖堂 ピッコローミニ図書館

シエナ県
02 /12 2015
ピッコローミニ図書館は、シエナ大聖堂の左身廊に位置しています。1492年にシエナ出身の枢機卿フランチェスコ・トデスキーニ・ピッコローミニ(後の法王ピオ3世)の意向で建設されました。
叔父の法王ピオ2世(エネア・シルヴィオ・ピッコローミニ)の豊かな蔵書コレクションを保存する目的です。内部は1502〜1507年にピントゥリッキオとその助手によってフレスコ画で装飾されます。助手の中には若きラファエッロがいたそうです。
ピッコロ図書館1
このフレスコ画は16世紀初期のイタリアの代表的な絵画作品です。ピントゥリッキオはウンブリア地方出身の画家で、この時期が彼の活動最盛期でした。
契約書の中にはヴォールトは「グロテスク模様」で装飾されることとあり、これは当時では新しい美術モチーフでした。そしてピオ2世の一生を10の場面で表すこと、全ての場面のカルトーネを制作すること、全ての人物像の頭と仕上げを彼自身の手で完璧に描くことが要求されました。フレスコ画は工房作品となるので、助手の手に依る部分も多いのですが、人物の頭部は工房の師匠が描くことが多かったようですね。

1503年には天井の装飾が終わっています。この年の9月には、枢機卿は法王ピオ3世になるのですが、まだ天井の家紋の上には枢機卿の帽子が見られます。
ピッコロ図書館2
2つのステンドグラスもこの時期には作業が終わっていたようです。
ピオ3世は法王就任後、わずか26日目に亡くなってしまい、図書館の作業は中止に追い込まれますが、画家は他の作品を制作しながらシエナに留まります。

ピオ2世の一生の場面を描く作業は1505年に再開されました。1507年にピントゥリッキオがウンブリア地方の他の仕事を請けているので、この年には図書館の作業は終わっていたと考えられます。

◉図書館の入り口の上にあるフレスコ画もピントゥリッキオの作品で「ピオ3世の戴冠」です。
◉図書館の床は三角形のマジョルカ陶器のタイル張りで、ピッコローミニ家の家紋である三日月が入っています。
◉中央の「三美神」はローマのピッコローミニ家の宮殿からから運ばれてきた古代彫刻です。ギリシャ彫刻の3世紀頃のコピーです。
◉ピオ2世の蔵書は結局はシエナに運ばれず、図書館には15世紀の細密画を施した楽譜などが展示されています。

参照 Cristina Acidini, Pintoricchio, in Pittori del Rinascimento, Scala, Firenze 2004
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。