シエナ大聖堂 ピッコローミニ図書館 天井

シエナ県
02 /13 2015
シエナ大聖堂内にあるルネッサンスの至宝「ピッコローミニ図書館」を紹介しています。
豊かなフレスコ画装飾はウンブリア地方の芸術家ピントゥリッキオが助手ラファエッロの手なども借りて16世紀初期に描きました。

天井の長方形をした中央は帆形の部分とペンデンティブによって支えられています。
ピッコロ図書館3
装飾はドムスアウレア(ローマ帝国第5代皇帝ネロが建設した大宮殿)からインスピレーションを得ています。
ドムスアウレアは1480〜1490年の頃にローマで発見され、芸術家が内部装飾をまねて「グロテスク紋様」を生み出したことで知られています。
長辺は4つの帆形(黄色の地)と3つのペンデンティブ(青い地)
短辺は2つの帆形(紅い地)と1つのペンデンティブ(黄色の地)
という構成です。
輝く色彩の中に古典的なグロテスクモチーフがちりばめられています。

中央部分は幾何学的な仕切りに分割されています。
中央には花輪に囲まれたピッコローミニの家紋。それ以外の仕切りには「美徳」「(古代の石棺のモチーフからインスピレーションを得た)異教的な神話」です。

「プロセルピナの略奪」のシーンは、ローマ帝国の石棺からアミーコ・アスペルティーニが影響を受けて描きました。ルーブル美術館所有の石棺に、2匹の蛇に引かれた車の上の男性像という、そっくり同じ造形のモチーフが見られるそうです。

したがってピッコローミニ図書館の天井画は、古代の石棺やドムスアウレアといった古代建築装飾から影響を受けた、ルネッサンスの典型的な作例なのです。

参照 Cristina Acidini, Pintoricchio, in Pittori del Rinascimento, Scala, Firenze 2004. ISBN 88-8117-099-X
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。