燃える心臓

芸術を読み解く
03 /17 2015
カトリックの美術モチーフで燃える心臓が扱われていることがありますが、あれがキリストの心臓「聖心」を表しています。
聖心1
聖心は「せいしん」「みこころ」と読まれ、イエス・キリストの人類に対する愛の象徴である心臓や、それに対する崇敬を示す言葉です。イタリア語ではSacro Cuore di Gesù(イエスの聖なる心臓)と呼ばれます。

特にカトリック教会で盛んな崇敬で、イエズスの聖心会などの修道会やそれらに関係する団体の名前となっていますし、フランスではサクレ・クール寺院などもあります。

宗教絵画の中の聖心のモチーフパターンを見てみましょう。
聖心2
後光で輝く燃える心臓(炎は愛を変容させる力)
心臓に槍に突かれた傷(受難を示す)
心臓の周りを囲むいばらの冠(受難を示す)
十字架(心臓の上に)
出血
イエスの体の上にあってイエスがその心臓を指し示す

さて聖心への崇拝の歴史を辿ってみると
11〜12世紀 聖心への崇敬の形跡が残っています、最古の記述や信仰の最初の提唱者は明らかではありません。
13〜16世紀 聖心崇敬が普及。神秘主義的な私的崇敬の形をとっっていました。

1673年 フランスの手動所マルガリタ・マリアが神秘体験をします。彼女が修道院内の聖堂で祈っている最中にイエス・キリストが彼女の前に現れ自分の心臓を見せ、「私の心はこの世の罪で傷つけられている」と述べます。彼女はこの神秘体験に何度もあいます。

18世紀 教皇座が準公式的に祝日を認めます。
19世紀 正式にカトリック教会の典礼暦に聖心の祝日が設けられ、ペンテコステの19日後となります。

教会に納めるex-votoも心臓の形をしているものを、よく見かけます。
聖心3

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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。