エトルリア人のそり返った靴

芸術を読み解く
04 /28 2015
古代ローマよりも以前に中部イタリアに栄えた民族エトルリア人。もっとも栄えていたのは紀元前5世紀の頃で、その後次第にローマ帝国に吸収されていきます。
古代ローマ文化はこのエトルリア人から多くの影響を受けています。

今日はエトルリア人の衣装について触れたいと思います。
「布地は羊毛を使うことが多かった。これらは色彩が豊かで、反対に麻は自然な色をそのまま使っていた。
男性は長ズボンのような腰布を身につけていたが、時代が進むと長いチュニカ(ガウン風の衣服)を着て、時には帽子と組み合わせていた。
また靴はとても凝っていて、皮か刺繍された布地を使っていた。サンダルはとてもエレガントでオリエンタル風に先端がそり返って上を向いていた。
エトルリア2
女性に限らず男性も髪や服を、ブロンズ、銀、琥珀、銀で繊細に仕上げた宝飾品で飾っていた」

発掘されたエトルリア人の衣装には金糸で刺繍されたものがあったそうです。
このようなエトルリア人のエレガンスは古代ローマ帝国の憧れの的となり、その洗練された衣服は「vestire all'etrusca エトルリア風に着る」と言われ、流行しました。

そういえば「鳥占いの師の墓」の人物像や、ブロンズの小さい像は先端のそり返った靴を履いています。
エトルリア1
これは実はエトルリア人の起源が小アジアだったことの証明なのです。
このような靴はシリア人やフェニキア人が使っていました。
小アジアからの移住者がイタリア半島で華やかな文化を造り上げローマ帝国に影響を与えた、服飾史を辿るとこのような流れが見えて面白いですね。

参照 Gli Etruschi. Una nuova immagine, Firenze, Giunti Martello
   世界服飾史 美術出版社
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。