マリアの光

ドゥオーモ地区
06 /22 2015
フィレンツェ大聖堂の円形ステンドグラスは1年に1枚ずつ修復が行われています。
そして修復が終わると、いったん展示会が行われて、それから元あった場所に戻されます。
いつもはドゥオーモの中に展示されるのですが、2015年はサンジョヴァンニ洗礼堂の中に展示されました。
展示会の名前は「la luce di Maria マリアの光」です。
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ステンドグラスは1405年の作品で、ドゥオーモのファサード(正面部分)にあります。
「天国の扉」を制作したロレンツォ・ギベルティのデザインによって、ニッコロ・ディ・ピエトロが制作しました。
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大きさは10フィレンツェブラッチャ(6,16m)で、テーマは「聖母マリアの被昇天」です。
踊ったり奏楽したりする天使たちに囲まれて昇天するマリア様が息子イエスに迎えられる場面となっています。
フィレンツェのドゥオーモは「花の聖母マリア聖堂」という正式名称からもわかるように、マリア様に捧げられた教会です。

背景の強い青は天界を表します。
聖母は金に縁取られた白い服を着ていますが、これは「純潔」のシンボルです。そして服の上にはフィレンツェのシンボルである「百合」は鏤められています。
ステンドグラスの周辺には預言者と使徒の姿があり、その間には花の意匠があります。これもフィレンツェ(「フィオーレ=花」から名前が来ていると言われている)に結びつきます。
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修復中に、雨水によってバクテリアや菌類がはびこり、化学反応を起こしてガラスが粉末化することによって、皮膜が組成されガラスを曇ってみせる状態が確認されました。
修復ではこれらの皮膜を取り除き、ガラスを固定する鉛部分で劣化したものを新しいものに交換しました。

サンジョヴァンニ洗礼堂は外部が修復中となっていますが、内部ではこのような様々な展示が代わる代わる行われています。このステンドグラスも普段は高い位置にありますので、このような近くで見る機会はなかなか貴重です。

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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。