初期キリスト教建築は古代ローマからやってきた

フィレンツェ市
10 /01 2015
サン・ミニアート・アル・モンテ教会のファサードはフィレンツェロマネスク様式建築の傑作とされます。
古代ローマのモニュメントから、大理石の象眼による幾何学模様と堅固な古典様式のインスピレーションを受けているんです。
sm al monte
11世紀の建築で、上下2層の構造。
下部は5つの半円アーチを支える蛇紋岩の柱とコリント式の円柱によって特徴づけられています。
これは初期キリスト教の5つの身廊をもった内部を想像させますが、実際には教会内部は3身廊です。

上部ではさらに幾何学模様が目立ち、左右の三角形の部分には編み目模様が見れますが、これは古代ローマ建築のopus reticulatum(レンガを編み目模様に組み合わせた壁面、ローマ周辺で紀元前1世紀〜起源2世紀のころ使われた)の影響です。
円柱で支えられた中央の窓の上には、1260年のころに制作されたモザイクがあります。聖母と聖ミニアートに挟まれたキリストです。

上部はフィレンツェのカリマーラ(毛織物業の商人の組合)によって建築されたので、頂上には彼等のシンボルである「毛織物をつかむ鷲」がいます。カリマーラが1288年までこの教会の保持の責任者でした。

この建築は、古代ローマ美術の異教モチーフとキリスト教建築の初期の繋がりを見ることが出来る面白い例です。
古代ローマの神殿では前部に連続するアーチを円柱で支え、その内側にはプロナオス(古代ギリシア、古代ローマ神殿における前室)がありましたが、これを想像させる造りなのです。

白と緑の2色を使った幾何学模様は、後の世代のフィレンツェの建築にも使用されることになりますが、この教会とサン・ジョヴァンニ洗礼堂がそのプロトタイプで、ルネッサンスの巨匠ブルネレスキも自分の建築に使っています。

参照 Guida d'Italia, Firenze e provincia "Guida Rossa", Touring Club Italiano, Milano 2007.
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。