ストロッツィ宮殿特別展2015 Bellezza divina 近代宗教画の愉しみ

フィレンツェ県
10 /19 2015
フィレンツェのストロッツィ宮殿で行われている展示会「Bellezza divina(Divine Beauty 神の美しさ)」は、19世紀半ばから20世紀半ばまでの宗教画の特別展です。そのうちの何点かを見ていきます。


「聖パオロの落馬」ドメニコ・モレッリ(1876)
belezza d10
作品は大聖堂の修復事業に関連して注文されました。イタリア統一後の象形や表現の新しい求めに応じている作品です。
この作品はヨーロッパの自然派に最も近い画家であったモレッリに依頼されました。

ドメニコ・モレッリ
ナポリ出身の画家であり政治家あった人物です。19世紀のナポリ画壇でもっとも重要な人物とされます。イタリア王国の議員でした。ローマで画家として学んだ後、1855年のパリ万国博覧会に出展、フィレンツェではリアリズムに対するマッキャイオーリ派の論争に参加します。次第に自由な色使いになり、ヴェリズモ(文学や音楽で見られた)と後期ロマン主義が溶け合っているとされます。ヴェリズモは文学では「市井の人々の日常生活、残酷な暴力などの描写を多用」音楽的には「声楽技巧を廃した直接的な感情表現に重きを置く」流れです。

「救世主」ジュゼッペ・カターニ・キーティ(1900)
belezza d9
カターニ・キーティはアングルのプリズモ(純粋主義)をラファエッロ前派の影響を持って越えた芸術家です。中世からルネッサンスの芸術を洗練させ、象徴主義と宗教性を表現しました。
額縁はファルーズィ兄弟の作品で、ゴシック時代の画家ファブリアーノ・ダ・ジェンティーレの作品からインスピレーションを受けています。

ゴシック〜ルネッサンスの芸術を現代的に昇華させていった作品は、見ていてとても面白いですね。
宗教画ですから題材を見ればどの場面かはすぐにわかるのですが、素材が同じで料理方法が違う作品を鑑賞することになります。
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。