夢の王子〜2〜 ポパテルの妻とファラオの夢

シニョーリア広場地区
12 /03 2015
フィレンツェの市庁舎ヴェッキオ宮殿にて行われているタペストリー展「Il principe dei sogni(夢の王子)」(期間2015年9月16日〜2016年2月15日)をご紹介する第2弾です。
principe del s12
メディチのタペストリー工房では、ブロンズィーノ、ポントルモ、サルヴィアーティのデザインをもとにして、20枚のタペストリーが制作されました。
フィレンツェとローマ(クイリナーレ宮殿)に分かれて保存されていた作品群を一緒に展示するため、前イタリア大統領ナポリターノが受入れてくれ、実現したものです。
並外れて高品質な手工業作品、ブロンズィーノやポントルモの美しい線描を楽しむことが出来るのは、30年に渡って行われた、貴石加工所とクイリナーレ宮殿修復工房の大規模な修復作業のお陰です。

展示会の題名の「Il principe dei sogni(夢の王子)」は、物語の主人公、旧約聖書のヨセフが夢占いの才能に恵まれていたことから来ています。それでは前回に続きヨセフの物語を紐解いてみましょう。
兄たちの恨みを買って、商人に売られたヨセフが売られていったのは…

「ヨセフとポテパルの妻」
デザイン>アニョロ・ブロンズィーノ
制作  >Jan Rost工房(1546〜1547年)
principe del s5
ファラオの侍衛長ポテパルは商人からヨセフを買い、、自分の家の執事にします。
ポテパルの妻はヨセフに目をつけて「私と寝なさい」とせがみますが、ヨセフは拒否します。

「ポテパルの妻から逃げるヨセフ」
デザイン>アニョロ・ブロンズィーノ
制作  >Jan Rost工房(1546〜1547年)
principe del s4
ある日、ポテパルの妻はヨセフと2人だけになると、彼の着物を掴んで自分と寝るように求めます。
その時にヨセフは慌てて逃げたので、彼女の手に着物を残してきてしまいます。
帰宅したポテパルに妻はヨセフの着物を見せて、自分を犯そうとしたと訴えたため、ヨセフは投獄されてしまいます。

「牢屋のヨセフとファラオの饗宴」
デザイン>アニョロ・ブロンズィーノ
制作  >Jan Rost工房(1546〜1547年)
principe del s3
獄中でヨセフはファラオの給仕と料理人の夢を解釈してみせて、評判を勝ち取ります。
2年後に復職した給仕は獄中にいるヨセフのこと思い、ファラオにヨセフを「夢の解釈者」として推薦します。
この場面では奥が牢獄、手前がファラオの饗宴となりますが、中央手前の女性はメディチ家のコジモ1世の妻であるエレオノーラ・ディ・トレドです。

「ファラオに肥え太った牛とやせ細った牛の夢を説明するヨセフ」
デザイン>フランチェスコ・サルヴィアーティ
制作  >Nicolas Karcher工房(1548年)
principe del s2
ファラオの夢「やせ細った7頭の牛が肥え太った7頭の牛を食べ尽し、やせた7つの穂が太って実った7つの穂を飲み尽くす」を、ヨセフは7年の豊作の後に7年の飢饉がやってくると解釈します。
ヨセフは総監督に任命され、豊作中に穀物を貯蔵することになりました。こうしてエジプト人は飢饉が来ても、餓死を逃れたのです。

さてエジプトで成功を収めたヨセフのもとに、彼とは知らずに兄たちが助けを求めにきます。
物語の続きは次回に!

スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。