司教杖は羊飼いの杖

芸術を読み解く
12 /08 2015
ふと「司教杖(しきょうじょう)ってどうしてあんな形をしているんだろう?」と思いました。
カトリック教会の司教杖は先端が曲がったゼンマイのような形をしているのです。
司教杖

イタリア語で司教杖をなんて呼ぶか知っていれば、その謎はすぐに解けます。
「pastorale パストラーレ」と呼ぶのです。パストラーレは「羊飼いの」「聖職者の」という形容詞の意味と、そのまま「司教杖」という名詞でも使います。
つまり羊飼いの杖の形を真似してあるんですね。
キリストのことを「良き羊飼い」と呼びます。これはルカ福音書に「キリストとキリスト教徒」の関係を「羊飼いと羊」に譬えてあるからです。

それではなぜ羊飼いの杖は上部が曲がっているのかというと、このカーブを使って動物の首根っこにかけて捕まえることができるようになっていたからだそうです。

ちなみに聖アンブロージョは司教杖の形を「怠け者を突くために先は尖り、弱きものを導くように中央部分は真っ直ぐ、道に迷った者を集めるために上部は曲がっている」べきであると言っていました。

そしてこのような形の司教杖は司教と大修道院長が用いていますが、十字架の形をした笏杖(しゃくじょう)もあります。
そちらは十字の横の棒の数で位がわかるようになっていて
横1本 大司教
横2本 総大司教
横3本 教皇

絵画の中でもどの笏杖を持っているかによって、位がわかるということですね。

参照
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。