金の薔薇

芸術を読み解く
12 /16 2015
シエナ大聖堂付属美術館にて「金の薔薇」というものを見ました。
大切そうにショーケースに入れて展示してあったので、どのようないわれがあるのか調べてみました。
rosa d'oro
黄金のバラは、ローマ教皇が四旬節の第四日曜日(バラの日曜日)に清め祝福する装飾品です。
崇敬や愛情の証として教会や聖域、王族や軍隊、各国政府に贈られました。

10世紀の頃には、バラの日曜日に「春が冬に打ち勝った」として人や家や道を花で飾る習慣がローマにありました。

11世紀、法王レオ9世が自分が創設した修道院に「金の薔薇」か「薔薇を鋳造するのに十分な金」を差し出すように命令したという記録があることから、それ以前から法王が薔薇に祝福を与えるという習慣があったと考えられます。

四旬節を通じて、カトリック教徒は祈り、断食、懺悔、瞑想を行います。
その季節が過ぎ、復活祭が近くに迫ることを喜ぶ印が「金の薔薇」であり、またキリストのシンボルなのです。
また花の香りが広がるように、イエスの教えが教会を通じて広まるようにといった比喩もあります。

そして次第に法王が君主や聖地に金の薔薇を贈るようになり、教会の教えに対して功績のあった印とされました。

また初期には単一の薔薇の花が付いているだけでしたが、次第に数も増え、葉や10以上の花が付いているものまで変転していったようです。

参照  Dizionario biografico degli italiani, Istituto dell'Enciclopedia Italiana
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。