赦しのマドンナ

シエナ県
12 /20 2015
ずーっと前にシエナの大聖堂側面扉の上の浮き彫りメダイヨンはドナテッロの作品なんだよ、と地元のガイドに聞いたことがありました。
「へ〜、こんなところに」と思っていましたが、今はオリジナルは大聖堂付属美術館に展示されています。

大聖堂側面、ベルニーニの造った礼拝堂の近くにある扉です。昔かこちらを出口に使っていたのですが、大聖堂が有料になってから、正面の扉を使うことになり、すっかりこの浮き彫りのことを忘れていました。
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美術館に展示されているオリジナル。題名が「Madonna del Perdono 赦しのマドンナ」です。
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この作品はベルニーニの礼拝堂を造るために1660年に破壊された扉の上に、もともとあったそうです。
大理石にブルーのガラスがはめ込まれていて、1457〜1459年の頃の作品です。

上級天使ケルビーニを背景に置いた聖母子のトンドで、ドナテッロがシエナに滞在していた時に制作されたと考えられています。彼は1457年に、ドゥオーモのブロンズ製の扉を制作するため、シエナに移り住んでいたのです。しかし扉の計画は完成することはありませんでした。

1459年にはドナテッロはシエナを後にしますが、この「赦しの聖母」を残していきました。ドゥオーモ用に制作した洗礼者ヨハネの像は、それ以前に作っていたようです。

作品はスティアッチャート(押しつぶした)浮き彫りで、聖母子はまるでトンドの中から飛び出してくるかのような格好ですが、背景のケルビーニは極端に薄い浮き彫りになっています。ドナテッロの他の作品にも見られる作風ですね。
はめ込まれたガラスもこの立体感を演出するのに役立っています。扉の下から見ても、聖母子の様子がよく見えたことでしょう。


参照  Atlante dell'arte italiana
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。