シエナを守ったマリア様

シエナ県
12 /21 2015
「大きな瞳のマドンナ」は、テレッサの師匠(Maestro di Tressa)によって1225年の頃の制作された作品です。
現在はシエナ大聖堂付属美術館に展示されています。
大きな目のマドンナ
この作品はシエナ共和国の重要な歴史に関係しています。
1260年、共和国の行政長官であったブオナグイーダはシエナ大聖堂主祭壇に置かれていたこの作品を前に、壮大なミサを行いました。
フィレンツェ共和国 VS シエナ共和国
コンタードの支配を賭けた大きな戦「モンタペルティの戦い」の前に、聖母に町の保護を祈願したのです。
Garrison al Maestro di Tressaは、13世紀半ばのシエナでは最も重要な画家とされていました。

「どうかフィレンツェからシエナの町をお守りください。この戦いに勝利しましたら、この町はマリアさまに捧げます」
モンタペルティの戦いにシエナ共和国は見事勝利します。シエナの軍隊を不思議な霧が守ってくれたという伝説もあります。この時からシエナは聖母マリアの都市となり、シエナの金貨にもマリアさまの姿が刻まれることになりました。

「大きな瞳のマドンナ」という題名は、聖母の大きな瞳に由来しているのではなく、丸いex-voto(奉納物、宿願のかなったお礼に神や聖者に捧げる)が絵画の周りに取り付けられていたためと考えられています。
最初はもっと大きなサイズの作品でしたが、祭壇の改築によって、絵画作品もサイズをあわせるために小さくされました。もともとは祭壇の正面装飾で、マドンナ像の横には聖母の一生が描かれた部分があったと考えられます。

モチーフはマエスタ(荘厳の聖母 王座の聖母を中心に天使や聖人を配した図)で、聖母が正面を向いているタイプです(ウッフィツィの3枚のマエスタの聖母はちょっと斜めですね)これはロマネスク様式がまだ残っているからです。
聖母が座っている王座には背もたれはなく、赤い丸いクッションがあります。
聖母に支えられて祝福を与えるポーズを取っているイエスはトーガを着て、まるで古代の哲学者のようです。
二人の光輪の部分には漆喰が厚めに塗られ、浮き彫りのような装飾です。

参照 Duccio, Simone, Pietro, Ambrogio e la grande stagione della pittura senese, Betti editrice, Siena 2012. ISBN 978-88-7576-259-9
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伊藤裕紀子

イタリアのフィレンツェ在住24年目。フィレンツェ県とピサ県の公認ライセンスガイド。何年たっても知り尽くせないイタリアの魅力を追求中。個人旅行のガイド、通訳の依頼も請けております。